八田與一容疑者が重要指名手配されている大分県別府市のひき逃げ事件から6月29日で4年がたった。
大分県警は6月29日、全国各地でチラシを配って情報提供を呼びかけたほか、新たな防犯カメラ映像も公開した。
TOSは八田與一容疑者の行方を追う県警の捜査1課の幹部を単独取材。これまでの動きとあわせて詳しく伝える。
八田與一容疑者 道路交通法違反では全国初の『重要指名手配』に
2022年6月29日、大分県別府市の交差点でバイクに乗っていた男子大学生2人が八田與一容疑者が運転する軽乗用車に追突され、このうち1人が亡くなった。
2023年9月、警察は現場から逃走した八田與一容疑者を全国の警察を挙げて捜査する『重要指名手配』に指定。道路交通法違反での指定は全国初だった。

事件から3年後大きな転機…時効の無い殺人事件に
そして事件から2年後の2024年6月、県警は八田與一容疑者の現在の風貌を想像して描いた6枚の似顔絵を公開し、情報提供を呼び掛けた。
さらに同じ年の8月には、県警はこれまでに公開した八田容疑者に関する映像や似顔絵を使って動画を制作し、県警の公式Youtubeチャンネルで公開。
「八田與一、見かけたらその場で110番。八田與一よ、隠れるな。この動画を見ているなら今すぐ出頭するんだ」などとナレーションで呼び掛けた。
そして事件発生から3年を迎えようとしていた2025年6月2日、新たな展開が。
県警は、殺意を立証出来る証拠が集まったとして、道路交通法違反のひき逃げのほか、「殺人」と「殺人未遂」の容疑を加え、新たに逮捕状を取ったことを明らかにした。
これにより、このひき逃げ事件は、時効の無い殺人事件として捜査されることになった。

県警は八田容疑者が海へ入って逃げた可能性も視野に捜査
また、八田容疑者の手がかりを探すため県警が海の堆積物を調べていることが捜査関係者への取材で明らかになっている。
関係者によると、県が漁師と協力して行っている海底清掃で回収されたものを県警が確認しているという。県警は八田容疑者が海へ入って逃げた可能性も視野に捜査を進めている。
こうした中、2026年6月15日には県警が八田與一容疑者について新たなチラシを作成し、報道陣に公開した。チラシには八田容疑者の新たな写真も掲載されている。
新たな写真は2枚で、全身が写っているものと、サングラスをかけている姿だ。
全身のものは八田容疑者が21歳の時、サングラス姿の写真は22歳の時のもの。八田容疑者は事件当時は25歳で、現在は29歳。公開した理由について県警は「全身のバランスを見てもらいたい」などと話している。

事件から4年 県警が事件直前の防犯カメラ映像を公開
そして事件から4年が経った2026年6月29日、県警は新たな防犯カメラ映像を公開。
公開された映像には、被害にあった大学生の1人が現場近くの道をバイクで進む様子が映っている。その1分後には、同じ方向に八田容疑者が乗っていたとみられる白い車が走っていく。このさらに1分後、ひき逃げ事件が発生したという。
さらに県警は同じく6月29日、北海道や大阪、沖縄など全国11の都道府県でチラシを配って情報提供を呼びかけた。札幌市で情報提供を呼びかけた大分県警捜査1課の須山大輔警部補は「人の多い都市圏からの情報が多いのでより多くの人に知ってもらい、 より多くの情報が集まることを期待している」と話していた。
また、遺族などでつくる別府願う会は「事件の風化が私たちにとって一番の恐怖、 忘れないこと諦めないことこそが唯一の対抗手段だと信じています」とコメントしていて改めて情報提供を呼びかけている。

捜査1課幹部を単独取材「被害者の無念を晴らしたい」
今回、重要指名手配の八田與一容疑者の行方を追う県警の捜査1課の幹部をTOSが単独取材。最新の捜査状況や事件解決への思いを聞いた。
「とにかく一刻も早く被疑者・八田與一を見つけ出し事件を解決して、 被害者の無念を晴らしたい、この思いに尽きる」
こう話すのは、事件の捜査を指揮する県警・捜査1課の河野友特別捜査隊長。
殺人、殺人未遂の逮捕状を取得してからの1年は被疑者の行方を、足取りを追跡する捜査を重点的に行っているという。
ーー県警・捜査1課河野友特別捜査隊長
「現場の状況や防犯カメラ映像といった証拠資料を組み合わせて被疑者が殺意を持って、車を衝突させたのかという部分を立証するために捜査を積み重ねてきた」

解決には情報が不可欠 全国に捜査員派遣し行方追う
全国から注目されるこの事件。
5月末までの八田容疑者に似た人の目撃情報はあわせて1万2370件で最も多いのが関東、次いでそのほかの地域などとなっている。県警はこの情報をもとに捜査員を全国に派遣。ただ、最近は情報提供件数が減少傾向にある。
1年前は1か月に700件以上あった情報が5月は124件と8割近く減っている。
県警が力を入れているのが動画や写真の公開。河野特別捜査隊長は「写真を目にしてもらって、これまでとは違った新たな目線や感覚を持ってもらうことで更なる情報提供に繋がることを期待している」と、事件解決には八田容疑者の目撃情報が重要だと話す。

事件後の八田容疑者の足取りは
一方、事件後の八田容疑者の足取りについては…。
ーー県警・捜査1課河野友特別捜査隊長
「被疑者のTシャツは大体このあたりに残されていた。Tシャツ以外、特異なものはまだ発見に至っていない」
八田容疑者は別府市北浜の国道を走って渡る姿が防犯カメラに映っている。
近くのヨットハーバーでは事件の2日後、八田容疑者が着ていたTシャツが見つかっているが、それ以降の足取りは分かっていない。
河野特別捜査隊長は「当然、特異なことがあれば公表しているが現状そういったものはない。あらゆる可能性を視野に入れて幅広に捜索している」と述べた。
事件発生から4年、八田容疑者はどこにいるのか。1日も早い事件解決が待たれる。


