任期満了に伴う福島県知事選挙の告示まで1カ月を切った。次の4年間でさらに復興を進めるために、15年が経過した“いま”も求められるのが“情報発信”だ。
■県外で初開催「廃炉に関する対話会」
9月5日、東京都内。原子力損害賠償・廃炉等支援機構、NDFによる「廃炉に関する対話会」が開催された。
司会:「私達がどのような課題に直面し、何に悩みながら検討を進めているかについても率直にお伝えし、皆様と一緒に考えていきたいとの思いで取り組んでおります」
2024年6月から福島県内各地で行われ、今回で77回を数えるが、県外での開催は初めて。参加者の男性は「国の問題である限りは、福島だけで留める問題ではなくて、国全体で考えられるように情報発信だったりをもう少し頑張っていただきたいなと思ってます」と話す。
■除染土をめぐり意見相次ぐ
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業の進捗状況や、今後の計画などが説明されるなか…。約40人の参加者から意見が相次いだのが“除染土”をめぐる問題だった。
参加者:「最近の仙台と埼玉での説明会もしない中での汚染土の拡散を続けている。信用と信頼はこれはますます低下して、むしろ崩壊・壊滅しているのではないか」
■除染土を“汚染土”と表現
中間貯蔵施設に約1400万立方メートル保管されている“除染土”は2045年3月までに県外で最終処分することが決まっている。国は処分量を減らすために、放射能濃度が低い4分の3について公共事業などで再生利用する方針だ。
8月末には仙台市の合同庁舎でも再生利用が進められたが…。ここでも“除染土”を“汚染土”と表現し、反対する人が声を上げていた。
■「再生利用」広がらない理解
再生利用に反対する意見は東京での対話会でも…。
NDF・池上執行役員:「結局助け合いの範囲がどこまでかということと…」
参加者の女性:「助け合いじゃないです。それって。被ばくし合いです、ただの。そこに会話の余地はないですね」
NDF・更田廃炉総括監:「しかしそうすると放射性のものは、全て福島から全くどこへも移動させるなというご意見…」
女性:「そうですよ」
特に県外で広がらない再生利用への理解に、NDFの更田豊志(ふけたとよし)廃炉総括監は…。「廃棄物は福島に置いておけという意見が全国の意見であるとしたら、それはある種の無理解に基づくものですから。ただ、そういう意見がある以上はそれを聞けたというのは、価値があったんだという風に思っています」と語った。
NDFは今後も県外での対話会を重ねていく方針だ。震災と原発事故から15年、“いま”も“情報発信のあり方”が問われている。
■福島県知事選の立候補表明者
10月8日に告示が迫った福島県知事選に立候補を表明した人を整理する。
これまでに立候補を表明したのは、現職で4期目を目指す内堀雅雄(うちぼりまさお)さん(62)、新人で会社経営の長谷沼邦彦(はせぬまくにひこ)さん(59)、新人で自営業の金山屯(かなやまじゅん)さん(86)、新人で会社経営の遠藤雄大(えんどうゆうだい)さん(41)の4人。この他に、もう1人新人が立候補を表明していたが、辞退した。
また、共産党は独自候補の擁立に向けて調整を進めている。
これからの4年間のリーダーを決める知事選は、10月25日に投開票される。
