金沢市の風情あるにし茶屋街に、新たな美食スポットが誕生した。東京や大阪などで店舗を展開するカニ料理専門店「かにじぇんぬ」が、北陸に初出店。この店では、能登産の毛ガニや石川県産のズワイガニなど、地元のカニを生きたまま客の目の前で調理し、その場で提供するという究極の鮮度を追求している。歴史ある町家を改装した特別な空間で味わう、刺し身やしゃぶしゃぶ、オリジナルの石焼きなど、贅沢なカニ尽くしのコースの魅力に迫る。
能登の絶品毛ガニに舌鼓 金沢・にし茶屋街にオープン

趣のある街並みが残る金沢市のにし茶屋街。ここに2026年9月7日、カニ料理専門店「かにじぇんぬ」がオープンした。全国で店舗を展開する同店にとって、北陸地方への出店はこれが初めてとなる。歴史を感じさせる町家をリノベーションした店内は、のれんをくぐると奥に坪庭が広がる、金沢らしい洗練された空間だ。この店では、地元のカニを使った特別な料理を堪能できるという。

「かにじぇんぬ」の代表を務める寺田幸宏氏は、この日、能登産の毛ガニとオホーツク海産のズワイガニを用意した。寺田氏によると、普段は石川県産のベニズワイガニを提供しているが、この日は仕入れの都合で変更となったという。11月にズワイガニ漁が解禁されれば、石川県産のブランドガニである「香箱ガニ」や「加能ガニ」を使った料理も提供予定で、季節ごとに様々なカニ料理が楽しめる。
客の目の前でさばく“生きたカニ”
この店の最大の特徴は、なんといってもその鮮度へのこだわりだ。「当店は生きたカニしか使わないので、全てお客様が来てからさばいて提供させていただいております」と寺田氏は語る。その言葉通り、客の目の前で、まだ動いているカニが手際よくさばかれていく様子は圧巻だ。

まず提供されたのは、さばきたての刺し身。慣れた手つきで殻から外されたカニの身は、白く透き通り、一つ一つの繊維がしっかりとしているのが見て取れる。このライブ感あふれる演出も、料理の味を一層引き立てるスパイスとなる。
食感と甘みが別格“能登産毛ガニの刺し身”

目の前に置かれた毛ガニの刺し身は、見るからに新鮮で、身はプルプルと揺れている。タレは2種類用意されており、毛ガニには梅と酒を煮詰めた「いり酒」、ベニズワイガニには紹興酒ベースのタレが提供された。
いり酒につけて一口食べると、これまで経験したことのない食感が広がる。プルプルとしていながらも、繊維がしっかりしており、噛むほどにカニ本来の甘みが口の中に溢れ出す。寺田氏は「まだ生きた状態ですので、カニの食感と甘みをお楽しみいただけると思います」とその秘密を明かす。この店は東京、大阪、札幌にも店舗を構えるが、「石川県のカニを一番美味しく食べるのは、やはりこの金沢でお店を出させていただくのが一番かなと思います」と、この地への特別な思いを語った。
松茸とカニのしゃぶしゃぶ

刺し身に続いては、旬の食材を組み合わせた贅沢な一品、「松茸とカニのしゃぶしゃぶ」だ。これもまた、客の目の前で調理される。カツオ出汁に松茸の豊かな香りが溶け出した鍋でカニの身をしゃぶしゃぶにすると、身がキュッと締まり、出汁の旨味が加わることで、刺し身とはまた違った甘みと食感を楽しむことができる。

口に運ぶと、カニの身は驚くほど柔らかく、それでいて滑らかな舌触り。松茸と、仕上げに添えられた柚子の香りが鼻を抜け、まさに至福の味わいだ。このしゃぶしゃぶは9月に提供されるコースの一品で、季節によって内容は変わるという。11月からは加能ガニを使ったしゃぶしゃぶが登場する予定で、訪れるたびに新たな味覚との出会いが期待できる。

濃厚!アワビの肝とカニ味噌の石焼き
続いて提供されたのは、店オリジナルの「石焼き」だ。熱々に熱せられた石の器の中には、カニ味噌と輪島産のアワビの肝を合わせたソースがぐつぐつと煮えている。ここにカニの身を入れ、10秒ほど火を通してからいただく。

その味わいは、まさに濃厚の一言。クリーミーなソースがカニの身に絡みつき、カニの甘みが凝縮されたような力強い旨味が口いっぱいに広がる。刺し身、しゃぶしゃぶとは全く異なるアプローチで、カニのポテンシャルを最大限に引き出した一品だ。寺田氏は「また違った味わいで、いろんな味を楽しんでいただけるかなと思います」と自信を見せる。

「かにじぇんぬ」は、金沢の新たな食文化の発信地となりそうだ。寺田氏は「金沢のお客様はもちろん、全国から石川県に来られるお客様に楽しんでいただき、また金沢の方々にも長く愛されるようなお店になれば」と今後の展望を語った。

かにじぇんぬ 金沢
住所:石川県金沢市野町2-24-5
電話:076-256-3339
https://www.instagram.com/kani.kanazawa/
(石川テレビ・9月4日放送)
