豪雨から1週間。富山県氷見市では今も、泥まみれの車が次々と整備工場へ運び込まれている。腰の高さまで冠水した住宅街で水没した車は多数。レッカー業者に依頼が殺到し、「順番待ち」を余儀なくされた住民も多い。そして、生活の足を失った人々がレンタカーに殺到した結果、富山市内の店舗では長期貸出できる車がすべて出払う事態となっている。
腰まで冠水した園地区、車2台が水没

富山県氷見市園地区では9月4日の午前10時ごろから、自宅の車庫から水没した車を運び出すレッカー作業が立て続けに行われた。この地域では大雨の影響で腰の高さほどまで冠水し、駐車していた多くの車が水没したという。
住民の一人は「車は2台とも水に浸った。月曜日に電話したら『みんな忙しい』と言われ、順番待ち」と肩を落とした。
レッカー業者「通常の何十倍」、1人で50台超を搬送

車の回収作業を請け負う高岡市のレッカー業者・東自動車の前田隆幸さんは、大雨以降ひっきりなしに依頼が舞い込み、4日だけで9台を運んだ。「依頼は通常の何十倍。私は50台以上を運んだ。なるべく早く片付けられればいいと思う」と話す。


搬送された車は氷見市内の車両整備工場に次々と集められた。タイヤのホイールには木や土が挟まり、ボディも泥で汚れた車が工場の敷地に並ぶ。JA氷見市車両整備課の大谷繁彦課長は「今でざっと70台くらい。この水没車両がまるまる増えた。まだ下にも10台くらい置いてある。置き場にも困っている」と現状を説明する。
外観に問題なくても「再生ができない」

水に浸かった車は、見た目に問題がなさそうな場合でも危険をはらんでいる。感電事故や電気系統のショートによる車両火災が発生するおそれがあり、修理は容易ではないという。
大谷課長は「走れる車も一部はあると思うが、今回は真水ではなく泥水の中に浸かった状態で、車は電子部品も沢山使っているので、今問題なくてもこの先どんなトラブルが出てくるかわからない。そういうリスクを見越すと、再生ができない」と語る。
現代の車は電子制御が随所に組み込まれており、泥水による影響は外から見えない部分に及ぶ。一見走れそうに見えても、後から深刻なトラブルが生じる可能性があるのだ。
レンタカーも底をつく、新車を2週間で手配

車を失った住民たちが次に向かったのがレンタカーだ。日産レンタカー富山の屋敷隆宏取締役によると、「通常だと駐車場に車が50台ほど停められるが、先週の土曜日・日曜日で25〜26台、トータルで40台ほど代車でお渡しした」という。

現在、長期で貸し出せる車はすべて出払っている状態だ。再来週のシルバーウィークに向けて需要がさらに高まることを見越し、屋敷取締役は「新しい車の発注を、通常だと納期が1カ月かかるところを、2週間で納入するよう先日手配した。落ち着くまでは1〜2カ月はかかると考えているが、できるだけ対応する」と話す。
(富山テレビ放送)

