私たちが普段よく利用する「生活道路」。これまで標識などによる速度指定がない道路では、車の法定速度は時速60キロだったが、9月1日から「時速30キロ」に引き下げられた。対象となる道路や注意点を確認する。
中央線や中央分離帯なし、道幅の狭い「生活道路」
住宅やマンションが建ち並ぶ広島市安佐南区の道路。道幅が比較的狭く、中央線などがない、いわゆる「生活道路」だ。
こうした道路では、自転車が信号待ちの車をよけて道路の真ん中を走行する場面も見られるなど、歩行者や自転車と車が近い距離ですれ違うケースも少なくない。
8月14日、広島県内の生活道路で重大事故が相次いだ。
福山市能島では自転車に乗っていた10代の少女が車にはねられ、一時意識不明に(その後
、意識を回復)。広島市安佐南区中筋でも自転車と車が衝突し、自転車を運転していた80代の女性が死亡した。
生活道路での事故に、広島県警は危機感を示している。
県警本部交通規制課の中村俊司警部は、「歩行者や自転車乗用中に死傷した人の割合が非常に高い。ほかの道路に比べて約1.8倍という統計もあります」と話す。
歩行者や自転車との事故を減らすため
県警によると、2026年の生活道路での事故は7月末時点で422件。事故の発生件数は減少傾向にあり、2013年には年間3000件を超えていたが、2019年以降は1000件を下回っている。
一方、事故全体に占める「生活道路での事故」の割合は15~20%程度で推移しており、ほぼ横ばい。こうした生活道路での事故を減らすため、2026年9月1日から始まったのが「車の法定速度引き下げ」だ。これまで、標識などによる速度規制がない生活道路では、車の法定速度は時速60キロだったが、現在は時速30キロに引き下げられている。
中村警部は、「法定速度はあくまで“ここまでなら出してもいいよ”という上限。道路の状況、視界や天候を踏まえて安全な速度で運転していただきたい」と呼びかける。
「中央線あり」は60キロのまま?
では、法定速度が時速30キロに引き下げられた道路と、そうでない道路にはどのような違いがあるのか。
中央線や中央分離帯がある道路は、引き続き法定速度が時速60キロ。一方、中央線や中央分離帯がない道路は時速30キロとなる。
ただし、標識などによる速度指定がある場合は、その指示に従う必要がある。例えば、中央線がある道路でも「50キロ」の速度標識があれば、法定速度は時速50キロ。逆に、中央線がない道路でも「40キロ」の速度標識があれば、時速40キロが適用される。標識などによる速度指定がなく、中央線や中央分離帯もない道路では、時速30キロ以下で走行しなければならない。
9月1日以降、法定速度が時速30キロの道路を時速60キロ以上で走行すると、30キロの速度超過で“一発免停”となる可能性もある。
広島県は、生活道路が道路全体の約7割を占めるという。身近な生活道路だからこそ、これまで以上に周囲の歩行者や自転車に注意し、安全な速度での運転が求められる。
(テレビ新広島)

