熊本県氷川町でおよそ80年の間、変わらない製法で菜種油やゴマ油などを作っている社が地震で大きなダメージを受けた。
製造再開を目指す三代目を取材すると、「やめる選択肢はない」と語った。

堀内製油 3代目・堀内貴志さん:
機械とかは倒れたり、物というモノが倒れている状況だった。製造再開の見通しは立っていない状況。

堀内貴志さんは、氷川町で菜種油やゴマ油などの製造・販売を手掛ける「堀内製油」の3代目だ。

戦前は酒蔵だったという築80年以上の工場は、7月の地震で柱が傾くなどの被害を受けた。

また、代々受け継がれてきた油を搾る「圧搾機」も倒れるなどした。

しかし、堀内貴志さんは力強く、こう話す。
堀内製油 3代目・堀内貴志さん:
やめるという選択肢はない。続けたい。

貴志さんの祖父・義信さんが氷川町で創業した堀内製油は2027年に創業80年を迎える。
昔ながらの圧搾製法で作った商品は県内外のデパートや小売店などで販売されている。

堀内製油 3代目・堀内貴志さん:
じいちゃんが始めた油屋で父も見てきているし、震災後、色々な客や取引先から『ぜひ続けてください』という声もある。
うちの油を残していきたい。うちみたいな製造方法はあまりない。文化も残していきたい。

倉庫にある原料の菜種10トンも地震で崩れたが、友人などの手を借りて積み直した。
しかし、製造を支える圧搾機の状態も建物の安全も確認ができていないため、製造再開の見通しは立っていない。
現在は、地震の前に製造した商品を出荷している。

地震から3週間後の8月18日。
油の原料となるゴマを今シーズン初めて収穫する日を迎えた。

堀内製油 3代目・堀内貴志さん:
地震はあったが、ゴマ自体はしっかり育ってくれて、少し地震を忘れさせてくれるというか収穫できてよかった。
この日、収穫したゴマを「早く搾りたい」と話す堀内さんは、一日も早い製造再開を目指す。

