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コメ値下がりで農家苦悩 JAに「価格形成のリーダーシップを」 生産コスト2万円超に、内金1万6000円 大規模化に欠かせない機械更新も計画立たず

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去年より安く店頭に並んでいる2026年産の新米。農家に支払われる「内金」も大きく下がりました。コメ価格が乱高下していることは、生産現場にどのような影響を与えているのでしょうか。2年前、コメ価格の上昇を機に1500万円のコンバインを購入した農家を取材しました。

福井市東部にある岡保地区。黄金色に実った県産米・シャインパールを、コンバインが刈り取っていきます。広い田んぼでのコメ作りに大型機械は欠かせません。
    
農事組合法人「こうすい」の吉田優一郎さんは「機械を直しながら使っていると、一日作業ができなかったりすることがあった」と話します。
  
今年、コメ売り場では新米の価格に変化が出ています。
  
竹内慶行記者:
「こちらの店では、新米のハナエチゼン5キロが税抜き2980円。去年の新米と比べ1500円ほど安くなりました」
   
取材した福井市内のスーパーでは、新米のハナエチゼンの価格は10キロで5480円。高値が続いた去年から一転、約3割、2400円安くなりました。

家計には助かるコメの値下がりですが、農家にとっては歓迎できるものではありません。
    
JA福井県から農家に前払いされるハナエチゼンの「内金」は、去年から大幅に下がり今年は1万6000円。これに対し、国が示した今年のコメの生産コストの目安は、玄米60キロあたり2万535円です。
   
内金は最終的な手取りではありませんが、農家にとっては経営を考える上で厳しい数字です。
    
吉田さんは「生産コストの目安を出したら、やっぱり国がちゃんと所得補償をするなど担保しないと。『コメの生産費は2万535円です』と言いながら、後は何もしない」と憤りを隠せません。

2年前、2024年には「令和の米騒動」と呼ばれたコメ不足を背景に、農家に支払われる価格も上昇。当時、吉田さんは「コメの売上金額は15年、16年変わっていなかった。生産費は2割から3割上がってきて、経営を圧迫されていた」と話していました。
 
この年、吉田さんが決めたのが、新しいコンバインの購入です。価格は1500万円。
 
「大事に使っているけど、トラブルが発生して作業が止まってしまう。更新したかったけどなかなかできなかった」と長く先送りにしていた機械の更新。コメ価格が上がり収入が増えたことで「財源ができありがたい」と後押しになりました。

あれから2年。吉田さんはコンバインを2台所有していて、この日使っていた“古株”は8年目を迎えています。
 
「いままでだったら10年経っても更新できなかったし、10年経ったら中古機を買っていた。これはもう8年使っているので、あと2年ぐらいで新しいのに入れ替えたい」(吉田さん)
  
次の買い替えまで、あと2年。その判断材料になるのが、今後の所得(売り上げ)です。
 
しかし、提示された「内金」の大幅な値下がり。毎年のようにコメ価格の乱高下が続けば、その計画も立てにくくなります。
 
吉田さんは「計画・予定が立てられる経営状況っていうのを願っている。JAの存在は大きいので、価格形成のリーダーシップをとってほしい」と訴えます。
  
2年前、コメ価格が上がった年に決めたコンバインへの投資。そして、2年後に迫った次の買い替え。コメ価格が大きく変動し次の投資が見通せない中で、吉田さんの田んぼでは今年の収穫が続いています。
 
担い手不足の問題もある中で、田んぼを引き受けていくには機械は欠かせません。安定した価格は、そうした農業を続ける土台にもなります。

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