ロサンゼルス五輪出場がかかるアジア選手権、女子バレー日本代表は21日、香港に3対0で快勝し、初戦を飾った。

すべてのセットで大差 初戦は完勝

世界ランキング115位、これまで7度対戦しているすべての試合でストレート勝ちを収めている相手に対し、試合開始直後から5連続得点、最後は佐藤のサービスエースで第1セットは25対9と大差で日本が制すと第2セットも連取。

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第3セットは香港のサーブで崩され、序盤には初めてリードを許したが、この日チーム最多の17得点を叩き出した佐藤が「ハイセットからブロックが2枚ついた状況でも、腕を振り切って打つ決め方を練習してきた」と言う通り、レシーブが少し乱された状況からも次々得点、すべてのセットで大差をつけ、ストレート勝ちで幸先のいいスタートを切った。

課題も出る中、14人全員が出場

国際試合での経験や個々の技術、すべてにおいて日本が勝っているのは明白で、いわば負けられない、負けてはいけない相手でもあるが、初戦独特の緊張感も漂い、試合後のインタビューに応じた主将の石川は「自分たちのもったいないミスも多く、コンビやサーブレシーブの精度が崩れてしまった場面もあった」と課題を挙げる。

ジャイアントキリングを起こすべく、強者に勝つためにはサーブで攻めるのは鉄則であり、香港のコート後方を狙ったり、前に落とす緩急をつけたサーブの返球に崩される場面もあったのは事実だ。

だが、10日間で最大6試合を戦うハードスケジュールであることに加え、ロサンゼルス五輪の出場権を得るために優勝が絶対条件というプレッシャーのかかる大会の初戦で、課題が出たことはプラスでもある。

加えて、序盤からリードを得る展開であったこともあり、第3セットからはミドルブロッカーの島村に変えて山田二千華、リベロの福留に代えて小島満菜美、途中交代でも鴫原、山口、アウトサイドヒッターの北窓絢音、セッターの栄絵里香とオポジットに秋本美空を2枚替えで投入し、全員がコートに立ち、プレーする時間を得たことも、連戦を戦う上では間違いなく収穫になるはずだ。

復帰の宮部が存在感を発揮

ネーションズリーグの1週目を終えた後、練習時の着地で右足首を負傷し、2週目以降は戦列を離れていた宮部藍梨も久しぶりのスタメン出場で復帰を果たした。今季、フェルハト・アクバシュ監督がチームの課題と掲げたブロックにおいて、宮部は欠かすことのできない存在でもあり、第1セット序盤でもさっそくブロックで魅せた。

高さがある欧米やアメリカ、ブラジルといった国々と対戦するネーションズリーグとは異なり、12の国と地域が参加するアジア選手権は高さだけでなくスピードを武器とするチームも多い。

「ミドルのクイックもあって、サイドが速いチームに対してはしっかり揃ってブロックに跳べるシチュエーションはあまり多くないと思うので、ブロックの形や後ろ(レシーバー)との連携がすごく大切」と話していたように、初戦からリベロの福留やバックセンターでレシーブに入る石川、佐藤と連携して動くシーンも多く見られた。

次は「永遠のライバル」韓国戦

次戦は明日23日、日本は世界ランキング27位の韓国と対戦する。2012年ロンドン、2021年東京、オリンピックでも名勝負を繰り広げてきた「永遠のライバル」。決勝トーナメント進出へは絶対に負けられない戦いとなる。香港よりも攻撃のバリエーションも多く、ディフェンスもいい相手なので、ラリーが続く回数も増えるはずだ。

より上位で決勝トーナメント進出を果たすために、佐藤は「今日よりもクオリティを上げてプレーしていかないといけない。許してはいけないミスを出さないように点数を取って、次もストレートで勝てるように頑張りたい」と意気込んだ。

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田中夕子
田中夕子

神奈川県生まれ。『月刊トレーニング・ジャーナル』編集部を経て、2004年からフリーランスライターに。主にバレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を中心に取材。著書に『日本男子バレー勇者たちの軌跡』、『高校バレーは頭脳が9割』、共著に『青春サプリ。』、構成に『Saori(木村沙織著)』『頂を目指して(石川祐希著)』などがある。春高バレーをはじめとする高校バレーの取材がライフワーク。