進む少子高齢化が引き起こす問題の1つが働き手不足。
企業の間で定年を廃止する動きが広がっている。

大手で定年引き上げ・廃止進む

19日、大手製薬企業の塩野義製薬が2027年度から定年を60歳から65歳に引き上げ、さらに65歳以降も希望者は正社員として雇用することが分かった。

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65歳以降は1年ごとに継続が判断され、事実上の定年廃止となる。

塩野義製薬は、「年齢や性別にかかわらず能力や成果に応じて活躍してもらう仕組みに転換する」としている。

また、金融大手の明治安田生命も2027年度から定年を65歳から70歳へ引き上げる。

新卒から務め、来年65歳を迎える男性:
健康をはじめ色々な条件が整うなら(仕事を)続けたい。ただ居続けるのではなく、(会社の)期待に応えたい。

明治安田生命では、社内調査の結果8割の社員が65歳以降も働きたいという答えだったという。

老後の資金を不安視する声

街の人に話を聞くと―。

30代女性:
ボケも怖いし、「働いていた方が若々しくいられる」と言われたので、働けるところまでは頑張りたい。老後の資金が60歳になるまでは貯まらないのではという不安があり、老後の資金を貯めるためにも。

40代男性と30代女性:
定年後いっぱい旅行したり面白いことは想像できるが、先立つものはお金。
男性は会社をやめるとコミュニティーが急に消えてしまうとか、よく聞く。男性は1人になっちゃうとか、そうなる可能性は自分は高い。

40代男性:
自営業だと人との関わりは自分から取っていかないとなくなっていくので、仕事でコミュニケーションとりたい。(老後)資金の心配もやっぱりある。

40代女性:
年金だけだとちょっと暮らせない。体はつらいだろうけどなんとか頑張って。

50代男性:
うちはまだ子どもが小さいので、退職後も(別の仕事で)働こうと思っている。
歳をとってくると、「まだ上司の人がいるんだ」という若い人もいると思う。それで場の雰囲気を読んで辞める選択する人もいるかもしれない。

「定年廃止」は3.9%

安宅晃樹キャスター:
現在の制度では、企業は65歳まで社員の雇用を確保するよう義務づけられていて、定年を65歳未満にしている企業については、「定年制の廃止」「65歳までの定年引き上げ」「希望者を65歳まで継続雇用」のいずれかを行う必要があります。

そして、現状、定年を廃止した企業は3.9%、定年の引き上げは31.0%となっています。

一方、こんな“レジェンド社員”もいる。

大阪のネジ専門商社に勤める玉置泰子さん。
2021年にギネス世界記録に認定された「世界最高齢の総務部員」で、当時は90歳。

玉置泰子さん(2021年):
仕事があっての私ですから。仕事がなくなったら“でくの坊”です。

玉置さんの「その後」について会社に確認したところ、19日も元気に出社しているということだった。現在96歳、勤続69年だという。

山﨑夕貴キャスター:
今から50年後…玉置さんのようにしっかりしていられる自信もないし、何の資格も持っていないし、役に立てる自信がないけれど、玉置さんのお姿を見て頑張らなきゃなという気持ちになりますね。

三宅正治キャスター:
95歳の現役アナ…。あるね!…いや、無理です。

働く側にとっては長く収入を得られるなどのメリットがある一方、企業にとっては高齢社員の健康管理や安全確保などが課題となる。

安宅キャスター:
リクルートワークス研究所・坂本貴志主任研究員は「待遇(給料や地位)が変わっても働く意欲を持てるか」「体力が低下しても同じ成果を出せるか」「年金をいつ受け取るか」など現役時代に計画を立てていくことが大切だと指摘しています。
まずはいつまでも元気に働ける健康な体づくりが大事かもしれません。

(「イット!」8月19日放送より)