13日、千葉・松戸市の飲食店で撮影された映像を見ると、店内に雨水が流れ込んで水浸しの状態になっているのがわかります。

千葉県を襲った豪雨では大量の車両が動かなくなり、道路に放置された他、住宅に雨水が浸水するなど、多くの人が生活する都市部ならではの被害が相次ぎました。

17日、お盆明けの街を取材すると、水が引いても復旧が思うように進まない「都市型水害」ならではの実態が見えてきました。

「イット!」が新たに入手したのは、千葉市で16日未明、車の助手席から撮影された映像。
茂みに入り込んだ車の先に、車体の後ろ部分がへこんだ車が確認できます。

目撃者によりますと、放置されていた車に走行中の車が衝突したということです。

撮影者:
ハザードも何もついてない車が急に目の前に現れてくるので、それは怖かった。

また、八千代市では17日未明、放置車両にトラックが衝突する事故が起きました。

17日、取材班が千葉市に向かうと、路肩に不自然に止められた乗用車がありました。
先日の豪雨で水没し、動けなくなったものとみられます。

千葉市では、動かすことができず放置された車が約2500台確認されています。

こうした放置車両は、多くの車が行き交う幹線道路でも。

千葉市内を走る国道には、車がまだたくさん放置された状態が続いていました。

車内には「水没により動かせません。レッカー要請中」などと書かれた紙が置かれていました。

都市部を混乱に陥れた、豪雨による冠水。
なぜここまで放置車両は増えてしまったのでしょうか。

千葉市内を走行中の車が立ち往生してしまうまでの一部始終を記録したドライブレコーダーの映像。
運転する男性は、帰宅困難となった姉を迎えに行く途中だったといいますが、「水が前の方から足下にかけてめっちゃ入ってくる状況でした」と話します。

何とか冠水箇所を抜けましたが、警告灯が点灯。
その後、アクセルがほとんど利かなくなっていたといいます。

運転手:
信号で止まって、発車したときに警告灯がつき始めて、無理かなみたいな感じ。怖かったんですけど、とりあえずここで止まるのはダメだなと思って。

とっさに脇道へと逃げ、安全な場所を探そうとしますが、そこから30秒足らずで走行不能になってしまいました。

都市部で起きた今回の水害。
一度に大量の車が被害を受けたことで、撤去作業が追い付いていません。

17日午前10時半ごろ、200メートルの間に10台の車が放置された状態になっていました。

豪雨による冠水から一夜明けた14日。
車が行き交う道路の真ん中で動けなくなっていたのは、訪問看護に使われていた車です。

訪問看護ステーション よりより・松岡秀樹さん:
(看護師が)訪問先から事務所に戻ろうとしていたところで、ガソリン入れるあたりまで(水が)上がってきて。

車は15日、知り合いに頼んで移動させたといいますが、「訪問用に使っている車が5台あるが、4台に(1台)かける。いろいろ困る。調整しなきゃいけないところが増えてくるかなと」と話します。

千葉市によりますと、交通に支障が出る状態だった約500台を路肩へ移動させたものの、いつ撤去できるかなどの見通しは立っていないといいます。

都市部ならではの影響は車だけではありません。

13日午後7時ごろに千葉・松戸市内で撮影された映像。

金太楼鮨新松戸店・山田淳一店長:
ここまで水が店内に入ってくるというのは、本当に30年勤務して初めての出来事。非常に驚いています。

都市部を襲った豪雨は、飲食店にも深刻な影響を与えました。

金太楼鮨新松戸店・山田淳一店長:
このつけ場っていうカウンターの中、下にすのこがしいてあるけど、その板が浮いちゃってきてる状態。あとこれは出前(配達時)、本当に波が押し寄せるというか、この時点で車が何台か水没している。

この日はお盆で予約が満席状態でしたが営業を中止し、夜通し清掃作業に追われたといいます。

金太楼鮨新松戸店・山田淳一店長:
当日の夜に店内の床を全部水道水で泥を外にかき出して、うちの(清掃)業者さまも来ていただいて。そういう協力があって、早めに次の日から営業が再開できた。

一方、千葉市内で1人暮らしの80代の女性は、想定外の水害に打つ手がなく、途方に暮れています。

浸水被害にあった女性:
片付けはまだまだこんな程度。(Q. まだ床も湿ってる?)もうダメですよね、張り替えないと。私ここに来て60年ぐらいになるけど初めてですね。

1階が浸水し、現在2階で寝泊まりしていますが、現在、水道が使えない状態だといいます。

浸水被害にあった女性:
ポンプがダメになっちゃったから水道が来てない。だから水道がずっと出てないから、近所の家から(水を)もらっている。

同じ地域に住むネパール人夫婦が一夜明けて自宅前で撮影したという映像には、腰の高さほどの位置に水の跡がついていました。

浸水被害にあったネパール人夫婦:
片付けるとか掃除は終わったが、建物の中の壁とかドアとか全部ボロボロになって今報告をした、不動産に。

現在、電気やガスなどは復旧していますが、給湯器が壊れたままでお湯が出ない状態だといいます。

思うように進まない復旧作業。
元東京消防庁 危機管理防災アドバイザーの田中章さんは、都市部ならではの課題を「建物はコンクリート、下はアスファルトになってきて、排水路はあるにしても、あれだけの1時間に100mmの雨量があるのはなかなか想定しなかった。排水溝・排水路にゴミが堆積しているので、まずそれをのけていかないと排水がはじまらない。そういう所の取り除く作業が非常に大変」と指摘します。

そのうえで、「水による災害というのは(復旧に)非常に時間がかかる。水が引けた所は自宅に戻って、家財道具を出して天日で乾かして、床下に入っている水をポンプで吸い上げると、色んな時間を要する」ということです。

こうした都市型の水害が近年、多発しています。

新潟県では7月、梅雨前線の停滞によって局地的な雨が発生し、床上・床下浸水など113棟の住宅に被害が出ました。

2025年は都内でも川が氾濫して大きな被害が出ました。
都市部での水害を今後、想定外ではなく想定しておくことが必要になってきます。

元東京消防庁の田中さんによりますと、日ごろの備えとしてハザードマップの確認、それから非常用持ち出し袋の用意、さらに、日ごろから家全体や部屋の写真を撮っておくと被災状況の証明がスムーズに進む可能性があるということです。

それから、被災した部分の撮り方ですが、一部分を撮るだけではなくて、より全体が見えるような引きの画角、全体が撮れる画角で撮っておくとスムーズに証明できて、手続きも進みやすいということでした。