「少額」なクレジットカードの不正利用被害が相次いでいます。

クレジットカードの不正利用は年々増え続けており、2022年1年間の被害額は、436億7000万円と統計開始以来、過去最悪になりました。

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そんな中でも、いま被害報告が増加しているのが、「少額」での不正利用。

防犯アドバイザーの京師美佳氏は、「所持しているクレジットカードを使っていなくても、不正利用されてしまうおそれがある」と警鐘を鳴らします。

「めざまし8」は実際に被害に遭った人々を取材。
番組スタッフすら被害に遭った“巧妙な手口”が見えてきました。 

見過ごしやすい「少額」の不正利用被害

今年の3月末、突然「少額」の不正利用被害に遭ったと話すのは、京都府に住む50代の女性。

明細にはガソリンスタンドでの利用が並ぶ中、大手IT企業の名前が記載され“160円”利用したとの記録が。

被害に遭った50代女性:
少額なんですけど160円っていうのがあって、私がもしかして使ったのかな?と思って。知らない間に課金とかしていたかもしれないと思って見過ごしてしまう。

少額ながら見て身に覚えのない請求に気づき問い合わせたところ、不正利用が発覚。
無事返金されたということですが、番号を変えるため、カードを作り直すことになりました。

めざまし8の40代の番組スタッフも、3月に被害に遭っていました。

実際に不正利用されたものの明細を見せてもらうと、3月4日にネット有料サービスで277円。さらに、5日、6日にショッピングサイトから1万円未満、6日電子書籍サービスから2万円。

その後も、同じサイトから2000円~5000円の請求が相次ぎ、総額5万1518円が不正利用されていたのです。

被害に遭った番組スタッフは、被害にあったクレジットカードを携帯料金の支払いのみに使用していたため、通常7000円程度の請求額が、5万円を超えていたことで不正利用に気がつくことができました。

すぐにカード会社に連絡し、調査の結果、不正利用が確認されたため払い戻しされました。

防犯アドバイザーの京師美佳氏
防犯アドバイザーの京師美佳氏

――このような少額の不正利用が増えているのですか?

防犯アドバイザー 京師美佳氏:
増えています。コロナ禍からネットショッピングをされる方も増えまして、使用されるカード数も増えていますので。また情報を抜き取るフィッシング詐欺などの被害も増えております。

クレジットカードを使わなくても被害に?恐ろしい手口

京師氏は、不正利用増加の裏に「クレジットマスター」と呼ばれる手口があるといいます。

「クレジットマスター」とは、クレジットカード番号の規則性からカード番号を割り出し、その番号を「名義」入力が不要なショッピングサイト等で「有効期限」「セキュリティーコード」と組み合わせて、総当たりでテストすることにより、実在する番号を割り出す不正行為です。

古くからある手口ではあるものの、近年「bot(自動作業プログラム)」などを使用することで、少ない手間で無数に割り出し行為を行えるようになってしまいました。

「クレジットマスター」は、カードを盗んだり、番号を盗み取ったりする必要がないため、普段持ち歩くことのないカードや、契約してから一度も使用したことのないカードすら攻撃対象になる可能性があるのです。

これにより、今までは不正に入手したカード情報を元に、1人に対して数万円から数十万円の高額な不正利用を行っていたのが、大量にカード情報を得ることができるので、発覚しにくい数百円・数千円の少額な不正利用を大勢の人に行うという形に変わりつつあるといいます。

私たちにできることとは?不正利用を防ぐための対策

クレジットカードの不正利用を防ぐために、どのように対策をしていくべきなのか。
京師氏によると、以下の事柄を心掛けることが大切だといいます。

・明細を毎月必ず確認する
・決済をするたびに、通知が来るよう設定する
・むやみにカードを作らない

また、不正利用されていると気がついた場合は、24時間以内にカード会社に連絡してください。規約によっては、時間がたってしまうと被害が補償されない場合もあります。

防犯アドバイザー 京師美佳:
現在対策を行っていない人は、今すぐ始めていただいた方がいいです。さらに二段階認証やワンタイムパスワードなど、無料で設定できるセキュリティーがあれば、今すぐやっていただいた方が、被害に遭う確率を下げることができます。

(めざまし8 5月9日放送より)