先週は涼しい日もあったが、17日、東京都心では日中は蒸し暑さがぶり返した。お盆休み明けに再び警戒が必要となる熱中症だが、特に大人より身長が低い子どもは、そのリスクが高いとされる。子どもを守るため、“保育・教育のプロ”の対策最前線を取材した。

“外のお散歩中止”保育園の工夫は

17日、東京都心では最高気温30.5℃を観測し、3日ぶりの真夏日となった。年々暑さが厳しくなる中、保護者たちを悩ませているのが熱中症だ。

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子どもの熱中症。実は、大人よりも子どもの方がリスクが高いとされているのだ。

こども家庭庁によりますと、背が低いことやベビーカーの利用など、地面と近い環境で過ごすことが多いため、地表からの熱の影響を受けやすく、より熱中症への注意が必要だという。

“子育てのプロ”の現場を覗くと、熱中症予防のためジレンマと闘っていた。

山﨑夕貴キャスター:
あ、音楽が何か聞こえてきます。あ、ジャンプしてる。お邪魔します。

山﨑キャスターが向かったのは、東京・目黒区にある「上目黒どろんこ保育園」。リズムに合わせ、楽しそうに運動するたくさんの園児たちの姿があった。しかし、本来この時間は…。

上目黒どろんこ保育園・松久保陽子施設長:
今日も熱中症警戒アラートが先ほど出たということで、長い時間のお散歩はとても危険なので、やはり室内でのこういう運動、体力が落ちないように行っている。

熱中症リスクが高いため、夏の期間中は外での散歩を完全にやめているというのだ。

実際に、2026年4月に取材に行った際は、夏以外の時期は長い時で3時間ほど、ほぼ毎日お散歩を欠かさず行っていた。

夏の散歩をやめたことにより、熱中症リスクは低下したが、それと同時にある問題も発生しているという。

上目黒どろんこ保育園・松久保陽子施設長:
室内だけで遊ぶというのは、子どもの体験活動にとって非常に影響があるということで、汗をかいて外で思いっきり遊ぶってことも、真夏であっても少しの時間でもしたいので。汗ってやはり、まず体温を下げるために、人間の体・健康にとって必要なことなので。

散歩をやめたことで、子どもたちにとって重要な体験活動も減少。さらに、熱中症回避には欠かせない体温調節の機能も低下してしまうというのだ。

しかし、外での散歩も危険。そこで、散歩の代わりとして行っているのが、日陰の屋外で水を使った遊びだ。

1階の園庭で遊ぶ際には、子どもたちを暑さから守るためにミストを使い、30分に1回、「水分補給タイムです」と汗をかいた分の水分を補給する。

屋外のプールには大型のサンシェードが
屋外のプールには大型のサンシェードが

さらに、プールを覆う大型のサンシェードも設置。安全に、かつ適度に汗をかくため、さまざまな工夫がされていた。

上目黒どろんこ保育園・松久保陽子施設長:
できるだけ短く、おもいっきり遊べるようにということで、1時間くらいは毎日外に出るようにしています。

野球部員の手元に最新デバイス

しかし、厳しい暑さの中でも長時間外で運動をしなければならないのが部活動だ。

7月29日の東京都心の最高気温は35.8℃。東京・港区の芝中学校のグラウンドでは、汗を流してボールを追う硬式野球部員の姿があった。その手元を見てみると…。

リポート:
野球部員の皆さん、腕に時計のような何かを着けていますね。

40名いる野球部員全員が、手首に腕時計のようなものを巻き付けている。
顧問に話を聞いた。

芝中学校硬式野球部・大澤雅仁顧問:
腕時計型のデバイスなんですけども、これが体の深部体温を測定してくれていまして、熱中症のリスクが高まるとアラームやランプの点滅、振動で知らせてくれます。

着けていたのは、腕時計型の最新技術「熱中対策ウォッチ カナリアPlus」だ。

熱中症リスクとなる体内の深い部分の温度上昇を検知すると、振動やアラーム音が鳴り知らせてくれるデバイスだ。

近年続く危険な暑さでは、水分補給や休憩などの対策だけでは不十分だと考え、3年前から導入したという。

実際に練習中にも、アラームが鳴る生徒が続出していた。この日は部員5人の深部体温の異常が検知された。

異常検知された野球部員(中学2年生):
(Q.アラームが鳴った?)はい、鳴りました。元気もあったけど鳴りました。あんまり自覚ないっていうか。なってからじゃ遅いんで、対策してくれるって面ではすごくいいと思います。

危険な暑さが当たり前となりつつある今、保育・教育のプロたちはさまざまな工夫をしながら、子どもたちを守っている。

外での運動前に体を冷やす

山﨑夕貴キャスター:
子どもたちに汗もかかせなきゃいけない、一方で熱中症対策もしなきゃいけないということで、保育士の皆さん本当に工夫されていて頭が下がる思いでした。

榎並大二郎キャスター:
お茶を飲むタイミング、30分に1回アラームというところなど、本当にきめ細かな対策がとられているなと思いました。確かに保育園や学校、適度な運動っていうのも大事だからこその対策がいろいろ必要なんですね。

山﨑夕貴キャスター:
こまめに水分を飲むってことはもちろんなんですが、他にも実は今注目されている対策があるということでご紹介します。それが「プレクーリング」というものです。
言葉の通り、プレ(事前に)、クーリング(冷やす)というものです。暑い外で運動するときや作業前に体を冷やすことで、体温上昇が緩やかになるとされているんです。

三宅正治キャスター:
外に出て暑くて汗wpかいて、さあ水分補給と考えるんだけど、外に出る前に冷やさなきゃいけない。

山﨑夕貴キャスター:
実は先ほどご紹介した中学校の野球部でも取り入れていました。
部員たちがドリンクを飲んでいるのは、本格的な練習に入る前です。飲んでいるのは細かい氷が混ざったシャーベット状のもの。こうした商品や、かき氷も内部から体温を下げるのに有効だそうです。

中からだけでなく、外部から体を冷やすということも、プレクーリングにおいて重要だ。

例えば冷水で手足を10分ほど冷やすと、冷たい血液が体を巡るので、熱中症対策として有効だという。

ただ、水の温度が低すぎると血管が収縮してしまうので、厚労省は10度から15度が効果的としているので、体調や感じ方に合わせて行うことが大切だ。

山﨑夕貴キャスター:
もちろん子どもだけでなく大人も重要になってきますので、皆さんしっかり対策をして、暑い夏を乗り切りましょう。
(「イット」8月17日放送より)