一枚の写真から街を再発見する「兵動大樹の今昔さんぽ」。
今回は、京都市中京区の地下鉄・烏丸御池駅前からスタートです。
駅前にある「新風館」は、もともと京都中央電話局だった建物を25年前にリノベーションし、2020年にはホテルや映画館も入る複合商業施設として生まれ変わりました。
【兵動大樹さん】「古い建物と融合して新しい建物になっていく、やっぱり京都ですよね」
今回、兵動さんに渡されたのは、1936年(昭和11年)に京都市中京区で撮影された1枚の写真。三角屋根が特徴的な、昭和初期とは思えないほどモダンな洋館が写っています。
【兵動大樹さん】「昭和50年って言われてもおかしくないぐらいの建物やね。個人宅かな、洋風やもん」
写真の場所は見つかるのでしょうか?
■ 聞き込みスタート!
早速、新風館で聞き込みを始めると、声をかけた女性からは「神戸っぽい」という感想が。
さらに別の女性にも写真を見せると「これは見たことあるけど、どこやったかな」と惜しい反応!
見覚えはあるけれど場所が特定できない…というもどかしい展開が続きます。
■「三条通」はレトロ建築の宝庫
続いて兵動さんが向かったのは、歴史的建造物が数多く残る三条通です。
江戸時代には東海道の西の起点としてにぎわい、近代には郵便局や銀行、保険会社などが次々に建てられた、京都のメインストリートです。
明治39年築の旧日本銀行京都支店(現・京都文化博物館)など、レトロな建物が目に飛び込んできます。
この建物は、「東京駅」を設計した辰野金吾が設計しました。
通りがかりの人に聞いてみると「見たことあります。でも、この通りだったかな。向こうの通りの…」という声が。
どうやら建物は現在も残っているようですが、三条通ではなさそうです。
■チョコレート専門店で一息!
聞き込みの途中、三条通に面する築100年以上の町屋を生かしたチョコレート専門店「ベルアメール京都別邸」に立ち寄りました。
京都産の素材を生かしたショコラがずらりと並ぶ店内で、兵動さんが選んだのは日本酒入りの「平安京」と「抹茶」のショコラ。
【兵動大樹さん】「ウイスキーボンボンみたいなもんなんすか?古いか、言い方が…」
ショコラは京都らしい升型で、日本酒の風味がふわっと広がりつつも、お酒が苦手な方でも楽しめるやさしい味わいです。
おいしいショコラで元気を取り戻した兵動さん。
店員さんからは「三条通より縦の通りに、こういった雰囲気の建物があるかも」というアドバイスをもらいました。
■「カワシマさん」の正体は?
「縦の通り」といってもたくさんあります。
手当たり次第に聞き込みを続ける兵動さんが飛び込んだのは、80年近く紙の卸しや印刷を営む老舗の紙店。
店主に写真を見せると…。
【店主】「カワシマさん?病院。カワシマ外科。僕ら子どものころ、けがしたら、そこ連れて行ってもらって。昔からカワシマはんやね」
なんと、子どもの頃にけがをするたびに駆け込んでいた地元の外科病院だというのです。
教えてもらった場所は、三条通りから麩屋町通りを南へ約200メートル進んだあたり。兵動さんが急いで向かうと、ツタに覆われた洋館が姿を現しました。
■ 院長自ら設計!?ドイツ住宅に憧れた病院
門の前で呼び鈴を鳴らそうとしていると、兵動さんに声をかける人が。
なんと、この建物を建てた建設会社「あめりか屋」の4代目社長だというのです!
写真は、ツタが絡まる前の、竣工当時のものだそうです。
革島外科医院は2011年に廃業しましたが、今回は特別に中を見せてもらえることに。
【兵動大樹さん】「めちゃくちゃドラマに出てきそうな受付や!」
この建物は、初代院長の革島彦市氏が留学先のドイツの住宅に影響を受けて建てたもの。
図面を描くのが好きだった彦市氏は、なんと自ら設計図を描いて建設会社に持ち込んだといいます。
■病室を「シェアオフィス」に改装
革島外科医院は2005年には国の登録有形文化財に指定されました。
現在は貴重な建築を後世に残すため、かつての病室をシェアオフィスに改装する工事が進行中。維持管理費用を捻出しようとしています。
すでに入居している人もいて、昭和初期の趣ある空間で現代の仕事が行われているという、なんとも不思議な光景が広がっていました。
【入居している人】「近所に住んでますので、子どもが小さいころ、この建物の前を通るたびに『ここドラキュラの家やで』ってビビらしてたんですけど、まさか自分が入ることになるとは」
1人の医者がドイツ留学で得たインスピレーションから生まれた昭和11年の洋館。
閉院後も地域の人々の記憶に残り、登録有形文化財として守られながら、シェアオフィスという新たな形で未来へとつながっていく。
古い建物に新しい命を吹き込む、京都らしい物語でした。
(関西テレビ「newsランナー 兵動大樹の今昔さんぽ」2026年8月7日放送)
