台風26号は29日現在、日本の南の海上をゆっくり北東方向へ進んでいます。
30日も速度はあまり上がらず、ゆっくりと伊豆諸島方面に進み、10月1日ごろには関東の南の海上へ達する見込みです。
東京では雨の日が統計開始以来最長の34日続き、記録的な長雨となっています。「また台風が来て雨が長引くのか」と感じている方も多いかもしれません。
しかし今回の台風26号は、長雨をさらに悪化させる存在ではなく、むしろ終わらせるきっかけとなる可能性があります。
鞍部を抜けて沖合で急加速
進路図を見ると本州に接近するように見えますが、今回の台風は比較的コンパクトです。
さらに、勢力も弱まる傾向にあるため、前線を強く刺激するパワーも続かず、広範囲で大雨となる可能性は低い見込みです。
また、今回の台風は、高気圧と高気圧の間にある「鞍部(あんぶ)」と呼ばれる領域を進んでいます。
鞍部とは山登りで「コル」と呼ばれる山と山の間の低くなった部分ような場所で、大気の流れが弱くなります。
このため台風を動かす風も弱く、速度が上がりにくくなっています。
関東の沖合に達すると、この鞍部を抜けるため、上空の西風に乗って急速に速度を上げる予想です。
そのため、影響が長引かず、雨のピークは一時的。
関東や東海では30日の深夜から1日昼過ぎにかけて雨が強まる時間がありそうです。
その後は天気が回復へ向かい、秋晴れとなるでしょう。
千葉や神奈川の土砂災害、伊豆の高波に警戒
ただ、「広い範囲で大雨にならない」「移動速度が速まる」からといって油断はできません。
長雨の終わり際だからこそ、地域によっては警戒すべきリスクが残っています。
特に千葉県や神奈川県では、台風25号などによる大雨の影響で地盤が緩んでいる所があります。
通常なら大きな影響がない雨量でも、土砂災害が発生するおそれがあるため注意が必要です。
最新の気象情報をこまめに確認し、土砂災害や河川の増水、低い土地の浸水などへの備えを進めてください。
また、台風の進路に近い伊豆諸島では、うねりを伴った高波や強風の影響が出るおそれがあります。
飛ばされやすいものを固定するなど、早めの対策を心がけてください。
【執筆:フジテレビ気象センター・気象予報士 岡部茉莉】

