連日続く厳しい暑さに打ち勝つヒントとなるのが朝食だ。2025年に新潟県が実施した調査では、朝食をとらない人が20代で半数近くにのぼっていることが明らかになっている。若者の朝食事情や朝食をとらないことによる影響について、そして100円で朝食を提供している学生マンションの取り組みを取材した。
朝食をとらない若者が増加?街で聞いた“朝食事情”
3種類のパンにサラダ、ハム、スープとヨーグルト…午前8時半すぎ、新潟市にある学生マンションで提供されていたのは入居者限定の100円モーニングだ。

学生マンションを管理するUniLifeが4年前から始めた。
その背景には「朝食をとらない若者の増加がある」とUniLife新潟大学前店の池浦陽子副店長は話す。
そこで若い世代の朝食事情を聞いてみた。

【食べない派】20代会社員一人暮らし:
Q.ふだん朝ごはんを食べるか
食べていない。
Q.理由
あまりお腹が空かないというか、食べなくてもいいかなみたいな。専門学校に行っていたが、その時に一人暮らしをしていて、そこから食べなくなった。
【食べない派】20代会社員一人暮らし:
朝起きるのが遅くて朝食を準備できなくて、そのまま会社に行くという感じ。実家にいる時は毎日食べていた。
【食べる派】10代大学生実家暮らし:
授業中、ずっとお腹がなるのが気になるので食べてから行くように心がけている。
【食べる派】10代大学生実家暮らし:
きょうは食パンを食べた。親がちょっと用意してくれて、足りなかった分は自分で用意する。
【食べない派】10代大学生一人暮らし:
朝、時間がないので昼で挽回すればいいかな。影響はめちゃくちゃある。今めちゃくちゃお腹が空いている。
街の人に聞いた結果、特に一人暮らしだと朝食を抜く人が多い傾向が見られた。
“朝食抜き”は集中力低下・夏バテの原因に「熱中症リスクも高まる」
新潟県内の朝食の摂取状況について、県が実施した25年11月の調査では、『ほとんど毎日食べる』を選択しなかった人が20代男性では44.0%、20代女性では48.3%と20代では約半数の人が朝食を食べない日があることが判明。

さらに詳しく見てみると、『ほとんど食べない』を選択した人は30代男性で19.4%、20代女性で21.7%となっている。
連日続く暑さの中、朝食をとらないことでどのような影響が出るのか。
管理栄養士の堀越さな恵さんは集中力の低下や夏バテの原因になると指摘する。
「脳が寝ている間にエネルギーとなるブドウ糖が使われているため、朝起きた時には枯渇している状態。朝食を抜くことで体を動かすために必要な栄養素が不足し、熱中症のリスクが高まる」
朝食とるには時間と手間…「調理しなくても食べられるものから始めて」
こうしたリスクがあるにも関わらず若者が朝食をとらなくなる理由とは…
農林水産省の調査では、20代から30代は朝食をとるために『朝早く起きること』『自分で朝食を用意する時間があること』『朝食欲があること』が必要だと回答。

時間や手間が朝食をとるのを阻む要因となっているようだ。
堀越さんは「ご飯と納豆やバナナとヨーグルトなど、調理をしなくてもすぐ食べられるものから始めてほしい」と呼びかける。
本来は主食、主菜、副菜がそろった朝食が望ましいが、まずは食べられそうなものから口にして朝食を採ることを習慣化することが重要だ。

また、私たちは寝ているだけでコップ1杯~2杯分の汗をかくため、朝起きると自覚がなくても軽い脱水状態になっている。
堀越さんは「目に見えづらいが、ご飯などにも水分が含まれているので、熱中症予防のためにも食べてほしい」と呼びかける。
“100円モーニング”で学生を応援「しっかり食べて脳働かせて」
朝食をとる習慣をつけてもらおうと、平日に限り100円で朝食を提供する学生マンション。
入学当初から週4日ほど利用しているという新潟大学4年の島充輝さんは、一人暮らしをしながらも朝食をとる習慣が身についたそうだ。
「自炊だと栄養バランスを考えるのがなかなか難しいが、すでに考えられたメニューが出てくるのは健康面でもいいと思う。別の物件の友達は作るのが面倒くさくて食べない人が多いが、こういったところだとすぐに出てくるので食べる頻度は高い」と話す島さん。

UniLifeの池浦さんは「しっかり食べて、脳を働かせてしっかり勉強して、大学生活4年間を無事に終えていただきたい」と学生たちを応援する。
まだまだ猛暑が続くが、夏を元気に乗り切るためにも意識的に朝食をとることが重要だ。

