北陸新幹線の福井県内開業から、2年あまり。福井駅周辺では、ホテルの開業や建設が続いています。相次ぐ進出の背景を追いました。
◆西武新館跡に204室のダイワロイネットホテル
田島嘉晃アナウンサー:
「福井駅から歩いて、およそ5分。西武福井店新館があったこの場所で今月、ホテルの建設工事が始まりました」
建設工事が始まったのは大和ハウスグループが展開している「ダイワロイネットホテル」で、地上9階・204室を備え、2年後の春の開業を予定しています。
今回の進出には街づくりを手掛ける福井市も期待を寄せています。
福井市都市整備課・服部泰之さん:
「全国ネットの規模のホテルなので、他の地域にあるホテルでも福井の宣伝をしてほしい。ホテル事業は、1年中あかりが灯っていて人の出入りが見込めるということで期待している」
こうした理由から、行政もホテル進出を後押ししています。ダイワロイネットの場合、総事業費約39億円のうち県と福井市が設立した基金「県都まちなか再生ファンド」から2億円の支援が予定されています。
服部さんは「今回の計画では、一階部分に飲食店舗を含めた商業施設が入り、ガラス張りの外観であることから、にぎわいの効果が出てくると判断し支援が決定した」と述べます。
◆福井駅周辺で820室が増加
ダイワロイネットの進出の背景にあるのは、新幹線開業後の人の流れです。
開業1年目に県内の新幹線駅周辺を訪れた県外客は、開業前と比べて約2割増加。ホテルなど宿泊施設へのニーズの高まりを受け、大和ハウスグループとして駅周辺への投資を決めました。
福井駅周辺だけを見ても、ホテルの進出ラッシュが続いています。「コートヤード・バイ・マリオット福井」や「御宿野乃福井」が既にオープン。ガレリア元町ではホテルの企画運営会社「7garden」が41室のホテルを計画しています。
さらに、南通り地区では「カンデオホテルズ」が約170室のホテル棟を建設中です。
ダイワロイネットホテルを加えた5つのホテルを合わせると、客室は約820室になります。
宿泊施設が増えることは福井の観光全体にも効果が及ぶと期待されています。
県観光政策課の北川真人さんは「多様な宿泊施設を増やすことが観光地としての魅力を高め、宿泊数の増加につながる」とします。
◆ホテルへの投資を県内消費にどうつなげるか
ただ、ホテルを増やせば泊まる人が増え続けるという保証はありません。実際、県内の宿泊者数は新幹線開業1年目こそ403万人まで増えましたが、2年目の去年は393万人と10万人減りました。
北川さんによりますと「関東地区からの入り込み数が減っている。物価高騰による旅行費用が増加し、比較的遠距離にある関東地区からの旅行に影響があった」ということです。
県が掲げる観光ビジョンでは2025年度から5年間で県内の宿泊者数を450万人にまで引き上げる計画が示されています。
目標達成のため県は、観光以外の宿泊者数も増やしていこうと、県内外から大勢の人を呼び込める大きな会議や学会、教育旅行の誘致なども進めています。
新幹線延伸により、福井を訪れる人の流れは変わり、泊まる場所も増えようとしています。増える客室に合わせ、実際の宿泊や県内での消費にどうつなげていくのか。夜の食事や翌日の観光まで含めて「福井に泊まる理由」を増やせるか、新たな課題も見えています。ホテルへの投資を、駅前や県内での消費にどう広げるかがポイントになります。
