高齢化や医師不足を背景に新潟大学が開発した新たなオンライン診療システムの実証実験が新潟県燕市で始まった。医師は「オンライン診療を併用することで非常に多くの患者を診ることができる」と期待を寄せていた。
燕市で新たな“オンライン診療”システムの実証実験
実証実験を始めたのは燕市の水澤内科医院だ。
この日は医院から車で10分ほど離れた患者の自宅とオンラインで結び、訪問看護の看護師がタブレットを使い、患者の様子を医師に伝えた。

今回、オンライン診療の対象となった患者は91歳の女性。
月に1度、医師が自宅に訪問し、診療をしているが、今後はその訪問診療に加えて、週に1度、訪問看護師が訪れる際にオンライン診療が可能となる。
患者の家族は「状況が起きたときに1カ月に1度だともう容体が変わってしまっていて、ちょっとそのときの状態がわからないこともあるので、1週間に1回オンラインだとすぐ伝わるかな」と話す。
「病院に行くのは大変」オンライン診療で患者や家族の負担軽減へ
オンライン診療に使われるシステムは新潟大学が開発した。

高度なセキュリティ設計により、患者の個人情報などが守られるほか、操作もウェブ会議の要領でパソコンやタブレット端末を使い、簡単に遠隔で診療ができる。
看護師は「歩けなくて、ベッド上生活なので、すぐにお医者さんに行くというのも大変。家族も大変だから、こういうオンライン診療という形で医師とも連携が取れればすごく負担も少ない」と話す。
かかりつけ医だけでなく“専門医の診療”可能に
さらに最大のメリットは大学が運営するドクターバンクに登録している医師がオンライン診療に参加できる点だ。

患者のかかりつけ医だけではなく、必要に応じてバンクに登録している専門医が診療することが可能となる。
水澤内科医院の水澤彰郎院長は「往診は非常に時間がかかるし、数が限られるからオンライン診療と併用することによって、非常に多くの患者を診ることができるかも」と期待を寄せる。
実証実験を進める燕市は今後、システムをグループホームなどでも活用して課題を洗い出し、27年度の本格運用を目指すことにしている。

