新型コロナウイルスの影響で多くの人が体験したリモート生活。
新たな技術で、さらに世界が広がるとみられている。

この記事の画像(12枚)

心拍音が”見える化”

17日にNTTが披露したのは、ポストコロナ時代のリモートワールドをテーマにした、さまざまな最新技術。

3Dの心臓
3Dの心臓

モニターに映し出された3Dの心臓。
心拍音をとらえたのは、18のセンサーがついたウェアラブルの聴診器。

ウェアラブルの聴診器
ウェアラブルの聴診器

心拍音や呼吸音などの生体音を測定し、体の状態を可視化できるというもので、送信機を使えば医師が患者と接触することなく、生体音を聞くことが可能。

オンライン診療などでの活用が期待されている。

NTTコミュニケーション科学基礎研究所・柏野邦夫上席特別研究員:
将来的には、コンピューターが音を聞いていろいろなことを判断し、“こうですよ”とサジェスト(提案)してくれることが可能になる。

医者にかかるかどうかを早期に判断する手助けになるのではないか。

リモート技術の進化は、エンターテインメントの世界でも。

他の観客が”見える化”で臨場感

リビングで1人サッカー観戦していると、ほかの観客の声援が聞こえ、影が映し出された。

ほかのユーザーを“見える化”することで、自宅でも試合さながらの臨場感を出すことができる。

コロナの影響で定着したリモート視聴の共有感、一体感を高めるという新たな技術。

観戦アシストシステム
観戦アシストシステム

メガホンを振っていると床が放射状に光り、ゴールへの歓声とともに紙吹雪が。

実は、観戦している人の熱狂度合いをセンサーで計測し、映像化していたのだ。

こうして、盛り上がっている人同士がつながりを感じ、皆で一緒にスタジアムで応援しているような一体感を味わえる。

ソニーと共同開発を開始した、この「観戦アシストシステム」。2年後をめどに、実用化したいとしている。

NTTサービスエボリューション研究所・佐野卓主任研究員:
今後は実写で双方向でつながりあって、より臨場感の高いものを目指していきたい。
エンタメも一時下がったモノを盛り上げていけるような世界をつくっていきたい。

ポストコロナ時代に向けて、リモート技術の開発が加速している。

5Gで今までなかった体験を

三田友梨佳キャスター:
社員全員がリモートワークで働く会社、キャスター取締役COOの石倉秀明さんに聞きます。
こうした新たな技術はどういった分野への応用に期待されますか?

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
5Gをはじめとした新しい技術によって、新しい体験や経験が期待されているわけですけど、特に5Gの特徴である低遅延を活かして自動運転の分野や医療、介護分野でのロボット活用が注目されているのは確かだと思います。

ただ、日本全体で見てみると、4Gはほぼ全国で網羅、整備されていて、光ファイバー自体もかなり高いカバー率になっているので、実生活において通信環境に不便を感じることは無くなってきていると思います。

仕事の中で一般的にホワイトカラーと呼ばれるオフィスで働いている人達も、そこまで大容量の通信技術が必要かと言われると、そうでないこともほとんどなので、むしろ我々が日常生活をしたり、仕事をする中で、5Gとか新しい技術ならではの新しい体験ができるアプリケーションやサービス自体がまだほとんど世の中に無いというのが現状だと思います。

三田キャスター:
5Gの普及にはソフト面の開発も不可欠だということですね?

石倉さん:
そうですね。なので日本企業からしてもチャンスだと思っていて、5Gだから出来る“日常生活や仕事で今まで無かった新しい体験”を提供するサービスを作れた会社は、成長の可能性を高く秘めていると思います。

5Gをはじめとした新しい技術そのものではなくて、それを活用してどう新しい産業を作っていくのか、それにチャレンジする会社をどう生み出していくのかもあわせてポイントになってくると思います。

三田キャスタ-:
自動運転などもそうですが、5Gの特性を活かして画期的なビジネスが生まれることを期待したいと思います。

(「Live News α」11月17日放送分)