高校生たちの自由な発想を街づくりに活かす

岩手県宮古市で高校生たちが議員となって市に提言をする取り組みがある。その中に自分の体験をもとに「災害に強い街」が作られることを願う生徒がいた。

11月3日。厳粛な空気に包まれた宮古市議会の議場。市の政策を決める重要な決議の場。

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今回議場で発言するのは、宮古市内の高校生だ。

宮古市内の高校生:
これからの時代は水産に限らず、宮古市全体で高卒の就業者を増やしていくべきだと考えます

宮古市内の高校生:
情報発信が不十分なために、市外からの観光客が増加につながっていないと考えられます

参加者の一人、宮古北高校に通う1年生、大槌侑心さんは、日頃から自分が生まれ育った街に関心を持ってきた。

宮古北高校1年 大槌侑心さん:
初めてこのような体験をするので、宮古市に実際に意見を提言する場として、とても有意義な会になるといいなと思います

今回の企画を考えたのは、宮古市の青年会議所。高校生の自由な発想を宮古市の街づくりに活かそうというものだ。
まず高校生たちは、市長や若手経営者から地域の課題や市の政策を学んだ。

陸中宮古青年会議所 松本徹副理事長:
例えば、この地域は東日本大震災から来年で10年の節目を迎えるにあたりという部分で、何でこのテーマについて取りあげたいと思ったかというのも、入れてもらえればいい

震災発生時に6歳だった、大槌さん。津波が押し寄せてくる光景を鮮明に覚えていて、今回の質問内容は住民が避難しやすい街づくりにした。

宮古北高校1年 大槌侑心さん:
実際に目の前で波が押し寄せてくるのを見たので、怖かったなと思って

そして本番当日、高校生たちは、緊張した面持ちで宮古市の議場に集まった。山本市長をはじめ、市の幹部を相手に提言を行う議会が始まった。

宮古北高校1年 大槌侑心さん:
子供からお年寄りまで避難しやすい街づくりについて質問いたします。東日本大震災を体験し、その後の生活で不便に感じる点があったため、このようなテーマにしました。ソーシャルディスタンスを含めた防災体制ができているか、今宮古市としてどのような対策を考えているのかお伺いいたします

この質問に対し山本市長は…

宮古市 山本正徳市長:
学校が避難所になった場合でも、ソーシャルディスタンスを確保できるよう務めております。今後は避難所で配慮が必要な方への対応といたしまして、旅館やホテルの活用を検討してまいります

宮古市 山本正徳市長:
鋭い質問がたくさんありましたので、やはり我々ももう少し考えなければならないことがたくさんある。伝えることの大事さを高校生議員から学んだと思います

質問を終えた大槌さん。緊張から解放され安堵の表情を浮かべていた。

宮古北高校1年 大槌侑心さん:
思ったより緊張したけど、言おうと決めていたことはとりあえず言うことができたので良かったです。一緒に問題を考えたりして自分にとって有意義な会になったと思います

高校生たちの自由な発想に基づいた提言が、震災から9年8カ月を迎えた宮古市に新たな息吹をもたらす。

(岩手めんこいテレビ)