九州新幹線長崎ルートの整備をめぐり佐賀県知事との協議を重ね、ルートを特定しない形で論点を整理し“国と県の合意“を示した国交省の水嶋事務次官が退職。今後、新たな事務次官の手腕が問われることになる。

知事との協議に尽力した水嶋事務次官

佐賀県の山口知事と国交省の水嶋事務次官は7月17日に佐賀県庁で会見し、九州新幹線長崎ルートについて、環境アセスメントの実施に合意したと発表した。

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会見で水嶋事務次官は「今回の合意はあくまで環境アセスについての合意であり、着工そのものについての合意ではない」と明言したが、合意書には佐賀県の財政負担に上限を設けること、在来線については、国がJR九州に対して、在来線の経営を引き続き行うことや普通・特急列車の一定の本数の確保を求めることが明記されている。

国交省の水嶋事務次官(左)佐賀県の山口知事(右)
国交省の水嶋事務次官(左)佐賀県の山口知事(右)

一方、佐賀県の山口知事は「環境アセス実施までの合意であり、フル規格整備の合意ではないが、この議論を深めていくための糸口となる複雑な方程式の係数というか論点をわかりやすく示すことができたと思う」と国との合意を評価した。

国交省の新事務次官には塩見英之氏

その水嶋事務次官は8月7日発令予定の人事で退職。後任の事務次官には、これまで国土交通審議官を務めていた塩見英之氏が就くことになる。

塩見氏は1990年に当時の建設省に入省、不動産・建設経済局長や総合政策局長などを歴任している。

難題山積…問われる新事務次官の手腕

水嶋事務次官は環境アセスについて来年度(2027年度)予算の概算要求に盛り込み進めていきたい意向を示した。しかし、今回の合意はあくまで「国と県の二者」によるものでJR九州や長崎県との調整はなされていない。

山口知事は「論点が整理され、議論がしやすくなる」と述べたが、財政負担についての長崎県との協議、在来線の本数確保をめぐるJR九州との協議は一筋縄ではいかない難しい課題だ。

JR九州 古宮社長の会見(2026年7月23日)
JR九州 古宮社長の会見(2026年7月23日)

九州新幹線長崎ルートをめぐる国と佐賀県の合意に対し、JR九州の古宮社長は7月23日の会見で「在来線の本数確保は約束できない」と述べ、早くも難題が浮き彫りになった形だ。

水嶋次官の後を引き継ぐ新たな事務次官が今後どのようなかじ取りをやっていくのか、その手腕が問われることになる。

サガテレビ
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