高市総理大臣が食料品の消費税の減税を表明したことを受け、自民党では31日から党内議論がスタートしました。
高市総理が表明した2027年4月からの食品の消費税の引き下げですが、私たちの暮らしや家計にどれくらいの恩恵があるのでしょうか。
ここからは、フジテレビ・智田裕一解説副委員長と見ていきます。
安宅晃樹キャスター:
まず、どういったものが減税の対象となるのか改めて見ていきます。
今、消費税は「8%」と「10%」の2つあります。
まず、「8%」の軽減税率は米や肉・魚などの飲食料品、そしてテイクアウトやお持ち帰りのお弁当などになります。
一方で、「10%」の標準税率はレストランなどでの外食、そしてお酒などになります。
この2つのうち、2027年4月に減税されるのは「8%」の軽減税率で、これが「1%」へ引き下げられることになるわけです。
ではこれによってどれくらい家庭に恩恵があるのでしょうか。
みずほ総合研究所によると、2人以上世帯の負担軽減額を見ていくと、年収によって幅がありますが300万円未満の年収であれば「4万6335円」で、400万~500万円の年収であれば「5万4426円」の負担軽減が見込まれるというんです。
山﨑夕貴キャスター:
結構大きい額なので家計にはうれしいと思いますが、なぜ異論が出ているんですか?
フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
減税の裏付けとなる財源は、具体的にどうするか明確に示せないままだということに加え、2年後に本当に元の税率に戻すことができるのかについて、国民の負担額が大きく事実上の増税とも捉えられるとして、疑問の声が上がっていたことなどがあるんですね。
安宅晃樹キャスター:
では、具体的にどれくらい消費者に還元されるのかを見ていきますが、実際に食品の消費税が「1%」に引き下げられたとして、例えば今は500円の商品を買おうとすると、ここに「8%」の税率が乗って価格としては540円の表示になります。
これが「1%」に変わったとすると、純粋に505円の表示になります。
こう見ると結構違うんですが、こんなことも起こるかもというんです。
「1%」の税率は変わらないわけですが、今回の減税に伴って500円だった本体価格を520円に値上げをすることによって、これの1%上乗せされて525円、このような店頭表示も出てくるかもということなんです。
山﨑夕貴キャスター:
つまり、これを機に商品自体が値上げされているということですか?
安宅晃樹キャスター:
そうなんです。そのようなことが起こり得るかもしれないということで智田さん、どんな背景があるんでしょうか。
フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
企業としては人件費、原材料費、物流費などが高騰している中で、本体価格そのものを引き上げた形というわけなんですよね。
安宅晃樹キャスター:
そのようなことが起こり得るということについて、「ABC経済研究所」代表エコノミスト・熊野英生さんによりますと、減税に重ね合わせた企業の値上げで相殺されてしまって、結果的に店頭価格は期待ほど下がらない可能性もあるといいます。
更に減税前の2027年1月から3月ごろに値上げが活発化するのではと指摘されています。
フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
企業側としても最近、中東情勢の影響で容器とか包装資材が値上げされて、収益を圧迫されるケースも増えています。
あとは円安による輸入品価格の値上がりも加わって、商品価格を上げるのもやむを得ないという企業も増えているという訳になります。
遠藤玲子キャスター:
「1%」が2年間限定で、2年後には「8%」に戻るわけですよね。
安宅晃樹キャスター:
高市総理が「2年後に責任を持って(税率を)元に戻す」と明言していますが、ここにも課題があるということです。
2年後、もし税率を戻すことになったとすると、より大きな負担になるかもしれないといわれているわけですよね。
フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
減税の際に商品の本体価格を引き上げた場合に、次に税率を戻す時には税込みの価格が減税前より高くなっている可能性があると。
減税されている間に物価上昇が続いていると、2年後に税率を戻した時に物価が高くなってさらに税金も上がって家計への打撃が大きくなることもあり得るといいます。
安宅晃樹キャスター:
山崎さん、2027年4月ということでまだ時間があるように見えますけど、よくよく見ると課題もまだ多いですよね。
山﨑夕貴キャスター:
物価高対策のはずなのに2年後、より物価高を実感する形になるとちょっと消費者としてはショックだと思うので、ちゃんと効果が出る形で議論を進めてほしいと思いますね。
