近年、年間2,000人以上が亡くなるなど「最大の自然災害」とも言える熱中症。わずか10分の屋外作業でも発症する危険があり、夜間に遅れて症状が出る「時差熱中症」への警戒も欠かせません。実は、この命に関わる熱中症のリスクを大幅に下げるカギは「毎日の朝食」にあります。専門家が明かすリスクの真相と、熱中症を防ぐ理想の朝食メニューをご紹介します。

■年間2000人超が亡くなる背景
厚生労働省のデータによると、近年は熱中症による死亡者数が年間2,000人を超える年もあるなど、深刻な状況が続いています。これは水害など他の自然災害による被害数を大きく上回る水準であり、現代における「最大の自然災害(熱災害)」とも言える事態です。

熱中症による死亡者が急増している主な背景には、地球温暖化による「気温の上昇」と、社会の「高齢化」という2つの大きな環境・社会の変化が存在します。特に高齢者は熱を感じにくく、汗をかきにくいため、熱中症のリスクが著しく高まる傾向にあります。

■わずか10分でも発症する危険
最高気温35℃を超えるような猛暑日には、わずか数分の作業でも頭痛などの症状が現れ、熱中症と診断されるケースがあります。

済生会横浜市東部病院の谷口英喜先生によると、熱中症の発症リスクは個人の体質や体力によって大きく異なります。アスリートなどの体力が高い人であれば45分程度耐えられる場合もありますが、水分補給が不足している人や体力の低い人、高齢者の場合、わずか10分程度屋外にいるだけでも発症する危険性があります。そのため、猛暑日の日中に散歩や作業を行うのは避け、早朝などの涼しい時間帯に行うことが重要です。

また、日中に熱にさらされた後、数時間から半日ほど経過した夜間などに症状が現れる「時差熱中症」にも注意が必要です。直後に症状が出ない場合でも油断せず、日頃から不要な暑さに身をさらさない対策が求められます。

■熱中症予防のカギは「朝食」
熱中症予防においては、日頃の「朝食」が非常に大きな役割を果たします。
大正製薬の調査データによると、暑い環境下で働く人のうち「朝食を毎日食べる人」の熱中症経験率が22.3%であるのに対し、「朝食を毎日食べない人」は35.3%にのぼり、約1.6倍も高くなっていることが分かっています。

体温調節を安定させるためには、1日あたり1.5~2リットルの水分摂取が必要とされています。朝食を抜いてしまうと、食事から得られるはずの約400~600mlの水分が不足することになり、熱中症のリスクが著しく高まります。

■専門家推奨の熱中症対策朝食
谷口先生が推奨する、熱中症予防に効果的な朝食メニューの例は以下の通りです。
・具だくさんのみそ汁:水分だけでなく、汗で失われやすいミネラルや塩分をバランスよく補給できます。
・ご飯(主食):活動に必要なエネルギー源となる糖質を補給します。
・鮭(主菜):ビタミンBなどが豊富に含まれており、糖質を効率よくエネルギーに変える働きを助けます。
・キウイフルーツ:ビタミンCなどが豊富で、暑さに強い体づくりをサポートします。

昔ながらの和朝食スタイルは、水分・塩分・栄養素を効率よく摂取できるため、熱中症対策として理想的な組み合わせと言えます。暑い季節こそ朝食をしっかり摂り、日中の猛暑に備えることが大切です。

※2026年7月22日放送の福島テレビ・テレポートプラスの天気コーナー「福テレ空ネット」からの抜粋記事。

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