小中学生を対象にした調査では、小学校高学年の時点でおよそ7割がスマートフォンを持っていることが明らかになりました。
宮城県内の小中学校では夏休みが始まり、子供たちのスマートフォンの使いすぎが気になってしまう保護者の方も多いのではないでしょうか。
スマホが子供の脳に与える影響と対策についてお伝えします。
梅島三環子アナウンサー
「実際に子供たちは1日どのくらいスマートフォンを使っているのでしょうか。街で聞いてみます。」
小学5年生
「休みの日は6時間以上使っています。TikTokを見たり友だちと連絡を取ったり」
高校3年生
「1日10時間以上は使っているかもしれない。ネットサーフィンを見るのに使っている。欠かせないですね。無いと生きていけないです。」
保護者は
「困っているのは時間を守れなくて(午後)9時までとか時間を決めているんですけどこっそり使っていたり。(一日)4時間ぐらいやってるんじゃないか」
このように、スマートフォンが着実に子供たちの生活に入り込んでいる現状が伺えます。
専門家は、スマートフォンの使いすぎが子供の脳の発達を阻害すると指摘します。
東北大学応用認知神経科学センター 榊浩平助教
「(脳の)前頭前野は思考の中枢であり、何かを考えたり理解したり覚えたり、勉強で使うような働きが(スマホの使いすぎで)育たない」
脳の前頭前野は、学習機能のほか、感情のコントロールや相手の気持ちを推し量るなど、重要な機能を担っています。
研究によると、3年間毎日スマートフォンなどのインターネット機器を使っていた子供で、脳のおよそ3分の1に及ぶ領域が3年間ほとんど発達していなかったという驚きの結果も。
東北大学応用認知神経科学センター 榊浩平助教
「脳は使えば育つし使わないと育たないというシンプルな性質。デジタル機器を操作しているとき、目的なくぼーっと見ている状態は前頭前野は働いていない」
スマホの使用は、学習機能だけでなく、感情のコントロールなど、私たちが生きていくために重要な機能を果たす脳の前頭前野の成長を阻害してしまいます。
特に脳の発達段階にある子供たちにとっては、将来的にも大きな影響がでてしまいます。ここからは、学習との関係を見ていきます。
東北大学加齢医学研究所が、仙台市内の小中学校を対象に調査した、スマホの使用時間と学力の関係を表したグラフです。グラフが示すように、使用時間が長いほどテストの成績が低いことが分かります。
一方で、スマホを全く使わない人よりも「1時間未満」使用する人の方が、成績が高くなっているのが分かります。これは、前頭前野が働き、自律的に使用時間を「1時間未満」に管理できる子供たちが含まれている可能性があるということです。
グラフは「1時間未満」の山を頂点として使用時間が長くなるほど学力が低くなることを示していて、「1時間以上の使用」が学力に悪影響を与えていることが見て取れます。
また、使用時間が1時間未満だとしても、学力に悪影響を与える使い方があります。それが「ながらスマホ」。
中学2年生
「勉強する時もスマホを触っていて、『あと5分だけ』とやっているうちに勉強するのを忘れたり手が付けられなくなることもあります。」
こちらは、スマートフォンをいじりながら3時間勉強した子供の成績が、いじらずに30分勉強した子供の成績とほぼ同じだったとするデータです。
脳は原則一度に1つのことにしか集中できないため、勉強中にスマホをいじった結果、学習を阻害してしまうことになるのです。
子供の脳や学力に大きな影響を与えるスマホ。対策として重要なのは、「親のスマホの使い方」だといいます。
東北大学応用認知神経科学センター 榊浩平助教
「家庭で親がたくさんスマートフォンを使っていれば、子供もたくさん使うという関係が見えてきています」
親のスマホ使用時間と、1日のスマホ使用時間が2時間未満である子供の割合をグラフにしたものです。親のスマホ使用時間が長くなればなるほど、使用時間2時間未満の子供の割合が減っていくのが見て取れます。
東北大学応用認知神経科学センター 榊浩平助教
「未就学児の親はまず子供の前でなるべく(スマホを)触らないことを徹底していただきたい。小中学校にあがって使い始めるときは子供の問題として切り分けるのではなく、使用時間を一緒に制限する「家族のルール」を一緒に守る取り組みが求められます」
家族のルールとして、例えば、1日の使用時間を一緒に決める、使わない時間を設ける、寝室に持ち込まないなどの対策が挙げられます。
そして、具体的にすぐにできる対策として榊先生に提案して頂いたのがこちらです。
1.アイコンを削除する
ホーム画面に表示されるアプリを必要最低限に抑え、すぐにアプリにアクセスできないように
2.通知オフ
通知を気にしながら勉強すると成績が下がるという研究も
3.目覚まし時計を買う
スマホを目覚まし時計にしている人が多く、寝室にあるとつい遅くまでいじってしまったり、起きてすぐ使ってしまうことが考えられるため
また榊先生は、学校や自治体レベルでの対策も重要と話していて、「夜9時以降はメッセージを返さない」といったルールを大人が責任をもって発信し、返信ができない言い訳を作ってあげることで、子供たちのメンタルヘルスを守ることにもつながるということです。
世界的に未成年のSNSの規制が進んでいますが、日本での法整備などは時間がかかるため、すぐにできる対策から始めることが大切だとお話していました。
スマートフォンの使用時間について、親子の問題として捉え、毎日できることから対策を始めて少しずつコントロールすることが大切です。
