冷凍食品大手のニチレイで発生したサイバー攻撃によるシステム障害が、今、列島を揺るがしている。学校給食の献立変更やスーパーでのアイスや冷凍食品の欠品、一部商品の納品が止まるなど影響は拡大している。

冷凍食品の棚が空に

冷凍食品大手のニチレイで発生したサイバー攻撃によるシステム障害。その影響は広がり、北海道・江別市の給食センターでは、来週の献立だったニチレイの「米粉入り春巻き」が「ポークシュウマイ」に変更されることになった。

さらに、夏休みシーズンが迫る中、冷凍食品の品薄は困るなどと、子育て世代などから悲痛な声が上がっている。

中高生の母親:
え〜困っちゃう。夏休みで子どものご飯なんかをストックしておきたいのにすごく困る。

20代の子を持つ母親:
息子のお弁当作るのに4品くらいは冷凍を使う。ないと困ります。

冷凍食品の棚は一部が空に…
冷凍食品の棚は一部が空に…
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大手スーパー、イオンの冷凍食品売り場では、アイスの冷凍庫には空きスペースが目立ち、冷凍食品の棚も一部が空になっていた。そして張り紙には、「システム障害の影響で、一部の商品に欠品が発生しております」と書かれていた。

撮影した買い物客は、「普段は冷凍食品もアイスも売り場が広くいろんな商品があるのに、半分近くがなくなっていて驚いた」と話す。

冷凍・冷蔵食品の“流通インフラ” 多くの企業に混乱波及

江崎グリコでは、西日本でアイスクリームの出荷に影響が出ていることが明らかになった。さらに、井村屋でも人気の「あずきバー」や「肉まん」など、一部商品の納品が止まっているという。

なぜ、ニチレイのシステム障害の影響がここまで多くの企業に拡大しているのか。

フードジャーナリスト 山路力也さん:
ニチレイというと一般的に冷凍食品のメーカーというイメージがあると思うんですけれども、冷凍・冷蔵食品の流通インフラでもあるんですね。冷凍食品とか冷蔵食品を各メーカーさんが作る。それを保管して、流通して店舗まで運ぶという一連の流れを、ニチレイが請け負っている。

冷凍食品の国内最大手のニチレイは、冷凍・冷蔵商品の物流分野でも国内最大規模の企業。国内の約5000社と取引し、冷蔵倉庫での保管から店舗への物流までを担っているため、システム障害による混乱が多くの企業に波及してしまった。

スーパーでは商品価格に影響も

大阪市にあるキムチ工場では、ニチレイの冷凍倉庫に保管された「冷凍キムチ」が出荷できない状況になっている。

「冷凍キムチ」が出荷できない状況になったが、17日から復旧予定
「冷凍キムチ」が出荷できない状況になったが、17日から復旧予定

高麗食品 黄成守工場長:
僕たちは全く関係ないと思っていたので、2日前の午前中に連絡を受けて知りました。(キムチは)冷凍倉庫で眠っている状態でした。

この影響で、冷凍キムチの製造を取りやめていたが、17日から復旧する予定だという。

また、横浜市保土ケ谷区のスーパー「セルシオ」では、豚肉の仕入れの量が減ってしまったが、16日は切り方を変えるなどして影響を最小限にしているという。一部の肉の仕入れ先から出荷できないとの連絡を受け、直接仕入れ先の倉庫に出向くなど影響が出始めていた。

セルシオ 食品バイヤー 久保田浩一さん:
一部、日ごろ安く仕入れている商品が高くなってしまったという影響があるので、多少お客さまに値段という部分では影響が出始めている。

各社の復旧見通しは

ニチレイは、17日から順次出荷業務を再開するとしているが、影響が出ている各社に復旧の見通しを取材した。

日本ケンタッキー・フライド・チキンは復旧のめどは立っていないという。また、イオンは復旧の見通しについては答えられないとしつつも、納品調整や代替手配を進めているとしている。

また、くら寿司は自社物流に切り替えを行っている。そして、井村屋は取引先に18日以降、順次再開の見通しだと伝えているという。

フジテレビの智田裕一解説副委員長によると、今回は一食品メーカーの内側で完結せずに、食の物流がロックされるという事態に発展したところに大きな特徴があるという。その上で、高度な攻撃の検知には限界があるとされるなか、サイバー攻撃への防御力を高める一方で、止まった時の備えとなるシステムをあらかじめ構築していくことが一層求められるという。
(「イット!」7月16日放送より)