富山県滑川市の無職の男が、東京で不特定多数の人を狙った無差別殺傷事件を計画したとして殺人予備の疑いで逮捕・送検された事件で、男は逮捕前、知人に対して「秋葉の七人はクリアして、歴史に、死亡者の家族等の記憶に自分を残すも一興」などと無差別殺傷をほのめかすメッセージを送っていたことが新たに分かった。その知人とは、2008年の秋葉原無差別殺傷事件を起こした加藤智大元死刑囚の元同僚であり、現在は保護司として活動する大友秀逸さんだった。大友さんによる警察への情報提供が凄惨な事件を未然に食い止めた。

警察に情報提供した大友秀逸さん(東京都)
警察に情報提供した大友秀逸さん(東京都)
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「秋葉のように楽しくヤッてタヒもイイ」 男(53)からのメッセージ

今月1日、東京都在住の大友秀逸さんのSNSにメッセージが届いた。

毛利容疑者からのメッセージ
毛利容疑者からのメッセージ

「最近生きるのにも疲れてきたんで、秋葉のように楽しくヤッてタヒもイイかと思うようになりました」

大友さんはこの文面について、「秋葉原のような無差別殺傷事件を『楽しむ』という表現をしていて、『タヒる』というのはネットの隠語で『死ぬ』っていう意味」と話す。最初は「秋葉原の事件に興味がある人なんだろうなとは思った」と受け止めていたという。

メッセージを送ってきたのは、滑川市上小泉在住の無職・毛利勝己容疑者(53)だった。

移送される毛利容疑者(14日)
移送される毛利容疑者(14日)

1週間後、犯行計画が浮かび上がる

最初の接触から約1週間後、毛利容疑者から再びメッセージが届いた。その内容は、より具体的な犯行をにおわせるものへと変わっていた。

大友さんによると、「生活が困窮していて苦しいんだ」という訴えとともに、「秋葉原の事件のように7人くらいの命を奪う」といった内容が、直接的な表現を避けながらもぼかした形で書かれていた。送られてきた文面には「最後に思う存分闘ってみたい」「秋葉の七人はクリアして、歴史に、死亡者の家族等の記憶に自分を残すも一興」など、無差別殺傷を強くほのめかす言葉が並んでいた。

毛利容疑者からのメッセージ(提供 大友秀逸さん)
毛利容疑者からのメッセージ(提供 大友秀逸さん)

大友さんが決定的な危機感を抱いたのは、その後に届いた一文だった。

「『こちら(富山)を片して、覚悟を決めて、片道切符で行こうと思うんです』みたいな内容が来たので、『これは犯罪を行うということでいいですか?』とはっきり聞いた」

すると毛利容疑者は「言及は差し控えさせてください」と返信してきた。

「否定もしないし、この人逆にやる気がするなと感じた」と大友さんは振り返る。

警察に情報提供 逮捕は「出発前日」

やり取りの翌日、今月11日に大友さんは近くの警察署へ情報を提供した。富山県警は1人暮らしのアパートで毛利容疑者を発見し、12日に逮捕した。

毛利容疑者の自宅アパート
毛利容疑者の自宅アパート

大友さんによれば、毛利容疑者が高速バスで富山県内を出発する予定だったのは13日の夜で、14日の朝に新宿駅のバスターミナルに到着する計画だったという。逮捕はその出発予定の1日前だった。

容疑をおおむね認めている毛利容疑者の自宅では、リュックサックにナイフ1本が入った状態で発見されており、東京行きの高速バスの予約も済んでいた。

警察の調べに対し、毛利容疑者は「物価高による生活苦などから死にたいと思った」と供述している。しかし、アパートの管理会社によると家賃は滞納していなかったという。さらに容疑者は「東京で無差別殺傷事件を起こせば、射殺されるか死刑になって死ぬことができると考えた」とも話しており、警察が詳しい経緯や犯行計画について調べを進めている。

(富山テレビ放送)

富山テレビ
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