同僚議員への金銭要求、いわゆる“カツアゲ疑惑”に揺れる福岡県議会。渦中の副議長が金銭の授受を改めて否定したことで、その波紋はさらに拡大している。

副議長会見は「往生際が悪い」「苦し紛れの逃げ」

14日に行われた福岡県議会の中尾正幸副議長の会見。

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疑惑を告発した吉松源昭県議は、会見を聞いて、「すごい、すごい話だなー。AIでなんとかやった、作ったと…」「往生際が悪いと思いますよ」と述べた。

さらに、声紋鑑定を行った日本音響研究所の鈴木創所長も、「この録音がAIと考えるのはかなり無理がある。苦し紛れの逃げなのかな」と指摘した。

中尾副議長が指摘されている“カツアゲ疑惑”とは、2019年当時、同じ会派に所属していた吉松県議に対し、ゴルフ会などの費用名目で1000万円の支払いを求めたとされるものだ。

中尾副議長のものと指摘される2019年の音声には、「今年は『蔵内会』をやって『マスターズ』。『マスターズ』というのは他会派も含めてやっている(ゴルフ)」「あした預かります。責任持ってちゃんと立ち会いますからね」と記録されている。この金銭要求は、議長就任の“根回し”の意味合いもあったとされ、金銭を支払ったと主張する吉松県議はこの翌年、県議会の議長に就任している。

金銭の要求をしたとされる際に録音された音声について、FNNが専門機関に声紋鑑定を依頼したところ、99.99%中尾副議長本人の声との鑑定結果が出た。

“否定会見”では記者の追及で発言一転

この結果を受けた形で14日に行われた、1時間半に及ぶ中尾副議長の“カツアゲ疑惑否定”会見は、時間の変遷と共にその発言が変化していった。

中尾正幸副議長:
今どきはAIでなんとでもなるからね、いろんな方からそう言われましたので…。

記者:
存在しない会話を作っている?

中尾正幸副議長:
はい、はい、私はそう思っています。“大金”と“荷物”(という言葉)、そこは改ざんされているのかなと。

会見冒頭の約20分間は、音声自体に改ざんの可能性があり、信憑性が低いと繰り返し主張。しかし、声紋鑑定の取材も行ったテレビ西日本の川崎健太記者が、改ざんの可能性が極めて低いとする専門家の見解を基に追及すると、その主張は揺らぎはじめた。

テレビ西日本 川崎記者:
科学的に証明されたものを感覚的に否定されるということなんですね?

中尾正幸副議長:
はい、はい…。

テレビ西日本 川崎記者:
これで県民が納得すると思われますか?

中尾正幸副議長:
(無言)

テレビ西日本 川崎記者:
納得するかしないか、どちらかでお答えください。

中尾正幸副議長:
納得しないでしょうね、納得しない。

そして、記者の質問開始から5分足らずで、“音声記録は実際にあったもの”と発言を一転させた。

中尾正幸副議長:
私は…うーん……にわかに信じられませんけれども、科学的にそうであれば、私の言った言葉なんでしょうね。

テレビ西日本 川崎記者:
あの会話は存在している?

中尾正幸副議長:
会話は存在しているんでしょうね。

記者の問いに「分かりません!!」

中尾副議長のものと指摘される2019年の音声には、「あした、松本(自民党県議団)会長が“荷物”は預かります。ちょっと“大金”やけんね、管理しとかんとね」という言葉も記録されていた。

会見では、この言葉についての解釈もどこか苦しいものになった。

記者:
会話の中で出てきた“大金”は何を指すのかをお答えください。

中尾副議長:
分かりません!!

記者:
何のお金だったんですか?

中尾副議長:
“何かのお金”だったんでしょう!

記者:
“荷物”というのは、何のことだと思いますか?

中尾副議長:
“荷物”じゃないでしょうか!

それでも、金銭の授受については否定し続けた中尾副議長。一方で、“カツアゲ疑惑”を告発した吉松県議らに対し、今後、名誉毀損裁判を起こす可能性にも触れた。

「とにかくウソだらけ」

この会見を見ていた、“カツアゲ疑惑”の告発者、吉松源昭県議は…。

――中尾副議長の会見について。
吉松源昭県議:
とにかくウソだらけですよね、何ひとつ真実を言っていない。記憶をなくしてないということであれば、記憶を呼び戻していただきたい。

そして、吉松県議は、説明責任は中尾副議長だけでなく、“福岡県議会のドン”と呼ばれる蔵内勇夫議長にも及ぶと指摘した。

吉松源昭県議:
今回も松本会長が預かるという所までは録音に入っていますが、録音の入っていないところではこれは蔵内相談役に渡すからという話ですから。

蔵内議長は8日、吉松県議について「僕は彼を育てて来たつもりなんだ。どこでああなっちゃったのかね、残念です」と述べている。“カツアゲ疑惑”が福岡県議会全体を揺るがす問題となったなかで、名指しされた“県議会のドン”が、今後どう説明するのかも注目される。
(「イット!」7月15日放送より)