気になる疑問やニュースのナゼを解き明かす「どうなの?」です。

安宅晃樹キャスター:
驚きのニュースが飛び込んできました。ロシアが2022年にウクライナ侵攻を開始して以降、日本がロシア人スパイの重要な活動拠点になっていると報じられ、その数、実に数十人に上るというんです。

山崎夕貴キャスター:
日本がスパイの拠点にって映画のような話でビックリしますけど、何でこんなことになっているのか気になります。

安宅晃樹キャスター:
そこで、14日の「どうなの?」は、「日本が“スパイの楽園”に?国産技術が戦争に加担か」について見ていきたいと思います。

まず、このニュースを報じたのはアメリカのニューヨーク・タイムズですが、それによりますとウクライナ侵攻以降、ロシアのスパイ数百人が欧米諸国から追放されたと。その結果、武器の製造に必要なマイクロチップなどの調達が困難になったんです。

この流れで、スパイ数十人が日本に拠点を移し、そこで調達した物資をロシアに流しているというんです。

榎並大二郎キャスター:
ウクライナ侵攻以降は原則的にロシアへの輸出というのは認められていないわけですよね。まして、何でこの軍需の物資が渡っていたんですかね。

安宅晃樹キャスター:
その辺り、気になりますよね。ウクライナ政府の推計によりますと、ロシア軍の武器やドローンの90%が何らかの日本製の部品を使用しているというんです。

ウクライナ当局が公開しているサイトを見ると、ミサイルなどロシア製の武器に使われているとされる約5800の部品の製造元や本社のある国を記載しています。ここに日本製の部品が227種類登録されているんです。

例えばロシアの最新兵器、極超音速ミサイルの「キンジャール」には、日本の大手企業などの半導体や電源制御部品、コンデンサーも使われていると指摘されているんです。

山崎夕貴キャスター:
日本で作られている半導体とかチップがこうして兵器に転用されていたということですよね。まさかこんな使われ方をしているなんて驚きですね。

安宅晃樹キャスター:
本当ですよね。改めて数字で見てみますと、部品の数は227種類で、90%という数字は驚きだと思います。じゃあ、これらの日本製の部品をどのようにしてスパイはロシアに持ち込んでいるんでしょうか。

ニューヨーク・タイムズの記事によりますと、「GRU」というロシア軍の情報機関の第20局と呼ばれる部署があるんですが、その部署のスパイが東京都内で、外交官やビジネスパーソンを装って技術の入手、つまりは諜報活動を行っているというんです。

さらに関係者の話として、第20局の責任者がロシア国営のアエロフロート航空の従業員として東京都内で勤務し、日本でハイテク機器などの物資を買い付け、それをロシアに密輸していると報じているんです。

ただ、ロシア人スパイの関与が疑われる問題というのはこれだけではないんです。
過去にさかのぼって見ていきますと、まず2002年のことですが、在日ロシア通商部の元幹部が元航空自衛隊の会社社長に接触して、ミサイルなどの防衛秘密を漏えいするように求めました。
元幹部は書類送検されたわけですが、その際には、先ほどお伝えしたアエロフロートの日本の駐在員も関与していたというんです。

さらに2026年1月にも、ロシアのスパイとみられる男が日本の工作機械メーカーの元社員にお金を渡して営業秘密の情報を不正に入手したとして、警視庁が2人を書類送検したんです。

いま紹介した2つの事例はいずれも不起訴となっていますが、番組が2000年以降に絞って調べた限りでも、ロシアによる情報漏洩事件が9件も確認されたわけなんです。

遠藤玲子キャスター:
自衛隊だけではなくて一般企業、メーカーの元社員にも接触しているって、急に身近な話になる気がしますね。

安宅晃樹キャスター:
そう感じてしまいますよね。先ほどから名前が挙がっている「アエロフロート」というところですが、ウクライナ侵攻以降は日本への航空機の運航は停止しています。先ほどニューヨーク・タイムズで報じられたような事実が実際にあったのかというところについて、FNNはアエロフロート航空の本社にコメントを求めたんですが、本社からは現在のところ回答がありませんでした。

三宅正治キャスター:
そもそも過去にこれだけのスパイ事件があった中で、欧米を追われたロシアスパイが日本をターゲットにしている。それは何でなんですかね?

安宅晃樹キャスター:
その背景というところですが、国による監視への懸念などを背景に、これがポイントになるんですが、日本はG7の中で唯一、国家秘密に関わるスパイ行為などを防止する法律がないんです。
世界のスパイ活動に詳しい日本大学の小谷賢さんによりますと、やはりスパイを取り締まるための法律が必要であると。日本では現状、尾行と追跡しかできないという現状があるそうなんです。

仮に“スパイの楽園”状態が続いてしまうとどんなことが懸念されるのか。友好国からの信頼がなくなって、安全保障に関わる重要な情報の共有がなくなる恐れがあるといいます。
また民間企業で見ても、知的財産が奪われて何兆円単位での経済的な被害も想定されるといいます。
そして、何といっても日本の技術が流出することで、事実上戦争を長引かせる要因にもなると、このように指摘しています。

三宅正治キャスター:
今指摘されている状況に何らかの対策を早めにとっていかないと、日本の信頼が低下していくことにつながるということですよね。

安宅晃樹キャスター:
そこに直結する話になりそうです。
ということで、14日のどうなの?は、「日本が“スパイの楽園”に?国産技術が戦争に加担か」について見てきましたが、ニューヨーク・タイムズの報道でもあったように、まず、日本の技術がロシアに流出していることが疑われています。

こうした現状が長引くとさまざまな弊害があるわけですが、その中でも、日本の国産技術が戦争を長引かせる要因にもつながりかねないと警鐘を鳴らしています。

榎並大二郎キャスター:
こうした状況を野放しにできないという中で、今の国会ではスパイ防止の一環として、その第一歩として国家情報局の新設が決まりました。ただ、今後の法整備といった課題は山積しています。