いま、人口40万人の宮崎市は、人口減少に危機感を抱いています。理由は、県外に進学などで出た若い世代、中でも女性がそのまま戻ってこないためです。
そこで宮崎市が始めたのが「モヤモヤ」から「住みたい宮崎市」を考えるというアンケート。宮崎市で生活する上で「こうなればいいのに」という本音を聞かせてほしいというものです。宮崎市はなぜ、このようなことをしているのでしょうか。
宮崎市は、2024年度に若者回復率について調べました。若者回復率とは、進学などを機に10代で転出した人が、20代になり就職などでどの程度宮崎市に戻ったかを示した割合です。
男性の若者回復率は、10代で993人が転出し、20代で343人が戻る、34.5%でした。これに対し女性は、10代で1066人が転出し、20代では、戻るどころかさらに82人が転出する「マイナス7.7%」という深刻な結果が出ました。
(宮崎市文化・市民活動課 久保野祐子 課長補佐)
「理由には、地方に残る固定的な性別役割分担意識や、無意識の偏見などが影響しているのではないかと考え、若い世代や女性の意見を聞くアンケートを実施することにしました」
アンケートは、今年度中に結果を分析し、公表されます。
宮崎市の清山市長は…
(宮崎市 清山知憲市長)
「男性に比べて女性に選ばれていない自治体である姿が浮き彫りになった」
(森山裕香子記者)
「若い世代や女性の県外流出に対して、街の皆さんはどのように感じているのでしょうか」
(20代・高校卒業後海外に転出)
「若いうちは戻ってこないかな。経験とかは積める感じはしない。仕事とか、もうちょっと幅広くできることがあるんだったら、機会はあるかもしれないけど」
(30代・大学進学で転出、就職を機に転入)
「宮崎の気候がちょうど良くて暮らしやすいなと、外に出てみて思ったから帰ってきました」
Q.なぜ若い女性は戻ってこないと思う?
「仕事の幅だったりとか、就職関係」
(20代・転出経験なし)
「人が多いのがあまり得意ではないのもあるし、過ごしやすくて好きですね。宮崎が」
Q.なぜ若い女性は戻ってこないと思う?
「宮崎に無いものを求めに行っているのかなと」
このように街頭インタビューでは、宮崎から出たい理由として「休日などに楽しめる魅力的な施設がない」「選択できる企業や業種が少ない」という声が聞こえてきました。
宮崎市で7月行われたセミナーでは、柔軟な働き方を実践している企業が、そのヒントを示しました。
日向市の企業は、コロナ禍の前からリモート勤務を推進していました。
(グローバル・クリーン 税田倫子専務)
「2009年から10年後の2019年に完全リモート化に成功して、そこからオンライン上で全ての仕事ができるようになったタイミングで、コロナに突入した」
女性が多く働くえびの市の企業は、従業員の夫の育休取得を推進しようと、祝い金を設けました。
(えびの電子工業 津曲慎哉代表)
「他社でも夫が育休を取ってくれて、働く女性社員を早く復帰するのを手伝ってくれたら、その社員の奥さんに1カ月分、3分の1の給料をお祝い金であげますよ、というもの」
従業員自身の成長を後押しする会社もあります。
(ソラシドエア 高萩雅由執行役員)
「事由を問わずに、1年につき最大5カ月間、休むことができる」
宮崎市が危機感を抱く「働きたい会社がない」。若い世代と女性に選ばれるために何が必要か、行政も企業も、答えを探しています。
