7月16日、立憲民主党と公明党の衆院議員が中道改革連合を結成してから半年を迎える。
参院議員や地方議員の合流には至っていない3党は、秋に想定される臨時国会には新たな体制で臨むことを目指し、協議を進めている。

3党合流に関する協議体の初会合 2日
3党合流に関する協議体の初会合 2日
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しかし、皇族数確保に向けた皇室典範改正案をめぐっては、賛否が分かれるなど、そのスタンスの違いが改めて浮き彫りとなった。
合流をにらんだ協議の行方にも影響を与えかねないと指摘する声も上がっている。 

基本政策「進化と深化目指す」水面下の動きも

FNNのカメラは10日午後6時頃、立憲民主党を支援する産業別労働組合(産別)の幹部との会談を終えた中道改革連合の小川淳也代表の姿をとらえた。 

産業別労働組合の本部から出てきた中道・小川代表 10日
産業別労働組合の本部から出てきた中道・小川代表 10日

さらに、1週間前の3日には東京都内で、公明党の支持母体である創価学会の関係者らとの協議を終えた小川氏の姿も確認している。 

中道・立憲・公明3党の幹事長は2日、合流に関する協議体の初会合を国会内で開き、秋に想定される臨時国会には新たな体制で臨むことが望ましいとの認識で一致した。

そして、9日には2回目の会合を開き、中道の基本政策の骨格は維持しつつ、議論を深めていく方針を確認した。 

会合後、立憲の田名部匡代幹事長は記者団に「我々は何を目指して力を合わせていくのか、いけないのかも確認していかなければならない」と述べた上で、次のような認識を示した。 

「我々の考え方と一致している点はたくさんあると思うが、整理していく必要があるのではないか。大きな違いのあることもお互い真摯に議論する必要がある」 

取材に応じる公明・西田氏、中道・階氏、立憲・田名部氏 9日
取材に応じる公明・西田氏、中道・階氏、立憲・田名部氏 9日

これに対し、公明の西田実仁幹事長は「(中道の基本政策に)何をどう加えるのか、修正するのかという提案を立憲民主党からいただく」とした上で、「骨格が変わることは難しい話になってくる」と釘を刺した。 

中道の階猛幹事長は「骨格は変えずに、進化と深化の両方を目指していきたい」との考えを示した。 

立憲・公明両党それぞれの支援団体に対し、小川氏はこうした3党による協議の進捗状況などを説明し、改めて今後の協力を要請したものとみられる。 

公明出身者の比例優遇見直し求める落選者 

3党合流をめぐっては、先週、中道のある会合に注目が集まった。

2月の衆院選の落選者が主催した「今後の政治活動に関する意見交換会」だ。9日午後2時から国会内で開催され、小川代表も途中参加した。 

対面形式で行われた中道・衆院選落選者意見交換会 9日
対面形式で行われた中道・衆院選落選者意見交換会 9日

議題は「政権交代可能な政治状況の実現に向けた政治のあり方について」など。呼びかけ人は党内の各グループから集められ、党に対する批判を繰り広げる小沢一郎氏のグループの関係者も名を連ねた。 

これまでに小川代表ら執行部はオンライン形式で落選者との会合を重ねてきたが、今回の会合は対面形式で50人以上が参加した。 

会合の後、呼びかけ人の1人である今井雅人元衆院議員らは記者団の取材に応じた。この中で、報道陣に非公開の部分で出席者から出た意見について次のように明かした。 

呼びかけ人の1人である中道・今井雅人元衆院議員
呼びかけ人の1人である中道・今井雅人元衆院議員

「何らかの形で今後とも協力体制を作っていくことはほとんど異論がなかったが、3党が合流していくことに賛成な方もいたし、必ずしもそれにこだわらないで連携していく形に持っていけないかという意見もあった」 

2月の衆院選では、立憲出身者は小選挙区で戦い、公明出身者は比例代表で名簿の上位に掲載された。このため、立憲出身者の多くが落選したのに対し、公明出身の候補者は全員当選した。

立憲出身者の間では、公明出身者の比例優遇の見直しを求める声が根強い。 

これについて今井氏は「次の参院選、衆院選に向けて比例のあり方はよく考えてほしい、できるだけ平等、公平な形に持っていってほしいという要望はあった」とした上で、次のように続けた。 

中道・今井雅人元衆院議員
中道・今井雅人元衆院議員

「選挙ギリギリになってこうなるという前回のような後出しじゃんけんみたいな形は困るので、早めに方向性を出してもらいたいという要望はあった」 

一方で、関係者によると、落選したベテラン元議員から「公明出身者には選挙区がない。見直しは難しいのではないか」といった趣旨の発言も出たという。 

会合の中では、執行部に対し、合流するかどうかの方向性を出す時期を示すよう求めていくことを確認した。 

呼びかけ人の1人は「地元を回っていても、合流するのかしないのかと聞かれ、前向きな活動ができない。早く方向性を出してもらわないといけない」と話す。 

関係者によると、現状に危機感を持つ落選者から切実な訴えを聞いた小川代表は「皆さんに苦労をかけている。皆さんの期待に応えたい」などと涙ぐむ場面もあったという。 

反対の立憲に「思いは相通じる部分多々ある」 

さらに、会合の中では、政府が提出した皇族数確保に向けた皇室典範改正案についても話題に上った。 

先述の取材の中で今井氏は、出席者から「3党の政策の方向が一致していないことが散見される」として懸念の声もあったとした上で、次のように言及した。 

中道・今井雅人元衆院議員
中道・今井雅人元衆院議員

「皇室典範の件で、立憲民主党と中道の賛否が今のところ分かれる可能性があるということに対する懸念を言う方はいた」 

皇室典範改正案をめぐっては、中道は、皇室に養子に迎えられた旧皇族の男系男子に男の子が生まれた場合に皇位継承資格を有するとした規定の是非に関し、改正案の付帯決議に「速やかに検討が加えられ、必要があると認められるときは、所要の措置が講ぜられるものとする」などと盛り込むよう求め、条件付きで賛成する方針を決めた。 

一方、立憲は、旧皇族の男系男子を養子に迎えられるようにすることは容認できないなどとして、修正案を出した上で、否決されれば反対する方針だ。 

関係者によると、落選者の会合で、中道の執行部の対応に理解を示す声が出る一方で、「改正案には反対すべきだ」との意見も相次ぎ、「対応には失望した」といった厳しい声も出たという。 

この会合の翌日、皇室典範改正案は衆院本会議で採決が行われ、与党に加え中道などの賛成多数で可決され、衆院を通過した。これに先立ち、中道の小川代表は記者会見で、賛成する方針に至った理由について次のように説明した。 

会見する中道・小川代表 10日
会見する中道・小川代表 10日

「付帯決議を要求することに至ったが、残念ながら与党側のかたくなな姿勢によって入れられなかった。しかし、答弁によって一定、同趣旨の担保が取れたと判断。この問題の重要性、党派的対立に持ち込むことを避けたいという様々な思いから、苦渋ではあるが、賛成ということにしたい」 

そして、「私どもが主眼に置いてきたものは、女性皇族のご成婚後の皇室残留に道を開くことだ」と強調し、「国会内の保守派は基本的には反対し、あくまで男系男子を養子に入れるという主張だった」と指摘した。 

その上で、「一定、保守派の主張にも歩み寄る形で、女性皇族の皇室残留を何としても勝ち取りたいという思いがあった。一定の妥協だ」と振り返り、立憲と賛否が分かれることについては次のように続けた。 

「思いには相通じる部分が多々あるという前提で、私どもとしても付帯決議案が得られなかったことも含めて、決して単純な思いではなく、全体として賛成に回るということだ。特に問題視するつもりはない」 

落選者の会合を呼びかけた1人は「3党合流に影が差す」と漏らし、立憲の幹部も「潮目が変わるかもしれない」との見方を示しており、合流をめぐる協議の行方は不透明感が増している。 

(フジテレビ政治部 野党担当キャップ 木村大久) 

木村 大久
木村 大久

フジテレビ政治部(野党担当キャップ・防衛省担当)、元FNN北京支局