福岡県議会で、自民党県議団の幹部から約2000万円を「カツアゲ」されたとする現職県議の告発が波紋を広げています。

告発された側は金銭の授受を全面否定し、主張は真っ向から対立。

さらに、8日、福岡市の高島市長も過去にとある議員から「5000万円持ってこい」と要求された経験があると告白。

福岡県議会に根深いカネの闇が存在するのではないかという疑念が一気に広がっています。

9日放送の「旬感LIVE とれたてっ!」には、社会学者の古市憲寿氏が出演。

「高島市長ときのう福岡で会った」と明かし、「市長が何年も前からこの話をしていて、『ようやくメディアがこの話題を扱ってくれるようになった』と話していた」とコメントしました。

■“懇親ゴルフ”費用などで約2000万円を「カツアゲ」主張

事の発端は、2020年から1年間議長を務めた吉松源昭県議がFNNの取材に対して行った告白です。

吉松県議によると、2018年12月頃、当時所属していた自民党県議団の幹部から「議会運営について『汗をかく』気があるんだろう」と持ちかけられました。

自民党県議団の中には「汗をかく」という言葉があり、事あるごとに、「会派のために汗をかかないといけないぞ」と言われ、請求書が回ってくるような“文化”があったといいます。

具体的には、他会派との懇親ゴルフの費用を負担するよう求められ、最初に550万円を要求されました。

【吉松源昭県議】「550万と言われて、『うわっ』と思ったけれども。出世コースから外されたりとか、最悪、自民党から外されることもあり得るから応じた」

その後も要求は続き、合計額は約2000万円に。

吉松県議は友人から借金をするなどして資金を工面しました。

【吉松源昭県議】「『会派内でなかなか上司に逆らえない』という人の弱みにつけ込んだ“カツアゲ”、あるいは“みかじめ料”的な要求だった」

■音声データの”声の主”?「よく似ているんですけど記憶にない」と反論

吉松県議は、自民党県議団幹部とのやり取りだとする音声データも残していました。

その中では「あした預かります。責任を持ってちゃんと立ち会いますから。大金やけんでね、管理しとかんと」といった発言が記録されていました。

「声の主」だとされる中尾正幸副議長は、記者会見を開きましたが、金銭の授受を全面的に否定しました。

【中尾正幸副議長】「そもそもお金を受け取ってないので、このようなやり取りをするのは信ぴょう性が乏しい」

音声データについては「よく似ているんですけど記憶にない」と述べるにとどめています。

その一方で、現金をめぐるやり取りは「吉松県議側から持ちかけられたもの」だと反論しました。

■「僕は彼を育ててきたつもりなんだ」と“県議会のドン”

この問題の背景には「県議会のドン」と呼ばれる蔵内勇夫議長の存在があるといいます。

蔵内議長は県議会議員らによる高額な海外視察問題でも注目を集め、ハワイ視察でシェラトンに1泊約11万円で宿泊したことについて問われた際、「私は海外旅行は続けます」と発言し、直後に「海外旅行じゃなくて、海外活動です」と言い直す場面もありました。

今回の金銭疑惑について、蔵内議長は金銭の授受を完全に否定しています。

【蔵内勇夫議長】「金銭の話は一切ございません。ああいう場にそういう話が持ち込まれるだけでも心外であります」

吉松県議については「僕は彼を育ててきたつもりなんだ。どこでああなっちゃったのかね、残念です」と述べました。

今後、弁護士など外部の有識者によって全議員への聞き取り調査が行われる予定です。

■「5000万円を持ってこいと…」福岡市長も驚きの告白

問題はさらに広がりを見せています。

福岡市の高島宗一郎市長が定例会見で、2010年の市長選初出馬の際、ある議員から「5000万円を持ってこい」と言われ、拒否したと明かしました。

当時録音していたものの、現在データは存在しないということです。
要求した議員の名前は明かしていません。

高島市長は「福岡の印象が悪くなるニュースで残念で悔しい」と語りました。

■「内部告発」で古い慣行から脱却できるか

元NHK政治部記者でジャーナリストの岩田明子氏は、福岡の地方政治が「安定している」と言われてきた背景には、業界団体と県議会が一体となって調整する「ドン」の存在があったと指摘します。

【岩田明子氏】「時代が変わって来て、国の方でも政治とカネで透明性が求められる中で、野党だとか外部団体からの告発ではなくて、同じ会派の中から告発がどんどん出てきた。特に今回、現職の市長が証言をしているのはものすごく大きなこと」

その上で、福岡県警も捜査に入っていることに触れ、「古い慣行から脱却できるのかどうか大きな局面に来ている」との見方を示しました。

■「福岡市長ときのう会った」と古市憲寿氏

社会学者の古市憲寿氏は、福岡市の高島市長と前日に福岡で直接会っていたことを明かし、市長が何年も前から著書でこの話に触れていたと紹介しています。

【古市憲寿氏】「『ようやくメディアがこの話題を扱ってくれるようになった』と話をしてたんです。福岡って一部マスコミと県警がズブズブで、いろんなお金の慣行のことは分かってるけれども、一部地元メディアが口にしなかった。ようやく最近局面が変わって、“ドン”のことを批判できるようになった」

古市氏は「議会をチェックする機能はメディアにしかない」として、報道による監視の必要性を強調しました。

福岡県議会は外部有識者による調査に着手しましたが、果たしてこの古い慣行にメスが入るのか、今後の展開が注目されます。

(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年7月9日放送)

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