福岡県議会の議長ポストなどをめぐって、現職の県議が自民党の幹部から多額の金銭を要求されたと告発。金銭のやりとりについて、告発した県議と自民党県議団幹部との間で、主張は真っ向から対立している。

高額な海外視察に続き…

高額な海外視察が問題視されている福岡県議会が、再び揺れている。

新たに県議会の議長ポストなどをめぐって、ある現職の県議が自民党の幹部から多額の金銭を要求されたと告発し、今、波紋が広がっている。

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山崎夕貴キャスター:
議長は議会を代表する大切な役職ですよね。それになるために多額の金銭が要求されたってことなんですか?

安宅晃樹キャスター:
証言によりますと、2人の県議が渡した金額は合わせて2840万円にも上るといいます。

この告発があってから双方が会見を開くなど対応しているが、その主張が食い違っている。

「『議長』めぐり金銭授受か カツアゲ証言に県議会のドンは?」について見ていく。

まずは、この渦中の人物たちについて見ていく。

自民党の県議団の幹部から金銭を要求されたと告発したのは、もともと自民党会派に所属していて現在は無所属の吉松源昭県議だ。

2020年から1年間議長を務めていたが、2018年ごろから議長就任への“根回し”として、自民党幹部から「汗をかく」というような表現を使って金銭を求められたと吉松氏は主張している。

そして吉松県議の告発の中で名前が挙がっているのが、自民党の県議団の幹部である中尾正幸副議長、そして“県議会のドン”と呼ばれることもある蔵内勇夫議長らだ。

遠藤玲子キャスター:
「汗をかく」。この表現、隠語みたいな感じで金銭を要求しているという意味ですよね。そういう言葉があるということですよね?

安宅晃樹キャスター:
そう我々は受け取ってしまいますよね。

どのような理由で金銭を要求されてきたのか、吉松県議の主張を見ていくと、議長就任への根回しとして証言した内容の中には、他の会派などとの懇親のためのゴルフ代で約1000万円。

また、高級料亭で幹部5人との食事代で約49万円。

さらには、お車代として1人50万円、5人分合わせて250万円。これは出席した元副議長の自民党の江藤秀之県議と折半して125万円だったというが、吉松県議はこの他にも小さな飲食代などを含めて、2人で合わせて2840万円に上ったといい、会見の中では「カツアゲされたようなものだ」と述べていた。

音声データ「よく似てるけど記憶にない。」

吉松県議は、中尾副議長との金銭のやりとりだと主張する音声データも公開している。

吉松県議が公開した音声データ
吉松県議が公開した音声データ

中尾副議長?(保管されていた音声データ):
今年は「蔵内会」をやって、マスターズ(ゴルフ)。マスターズ(ゴルフ)というのは他会派も含めやってる。明日預かります。責任もってちゃんと立ち会いますから。ちょっと大金やけんね、管理しとかんと。

現在の議長・蔵内県議の名前を挙げて現金を要求されたケースもあったという。

また、当時副議長に就任した自民党の江藤秀之県議はFNNの取材に対して「中尾副議長に500万円を手渡した」と証言している。

これに対し、金を渡したとされた中尾副議長は記者会見を開き、「事実無根である」と真っ向から否定した。

中尾正幸副議長:
よく似てるんですけど、記憶にない。そもそもお金を受け取っていないので、このようなやりとりをするのは信ぴょう性において乏しいのかな。

遠藤玲子キャスター:
中尾副議長本人も似ているというふうに言っていて、現段階では同一人物かどうかは分からないということなんですね?

安宅晃樹キャスター:
現段階では分かっていません。

“県議会のドン”「全て割り勘…一切ない」

お金のやりとりをした理由について、それぞれ次のように主張している。

告発した吉松県議は「出世コースから外されたり、自民党から外されることもあり得るから応じた」としている。

一方で、中尾副議長は吉松県議の方から「お金がいるんでしょ」と持ち掛けられ、「会長と私は丁寧にお断りした」として、真っ向から対立している。

また、ゴルフ会の名前にもなっていた“県議会のドン”とされる蔵内議長は「蔵内会とかマスターズ(ゴルフ)という話が出ているが、これは全くプライベートな友人の会。そういった金銭うんぬんの会ではない。全て割り勘です。(Q.議長1000万、副議長500万のウワサ)全くウワサであって、2回議長選挙に出たが、一切そういったことはない」と主張している。

また、自らが議長に就任する際にも「金銭のやりとりは一切なかった」と否定した。

専門家「全容明らかに」

何が真実なのか判然としない問題だが、政治学が専門の拓殖大学の丹羽文生教授は次のように指摘している。

まず、地方議会における議長というのは、野党を含めて公平・公正な議会運営を担っていく役割があるもので、通常の議員よりも報酬は高い。公用車も付くような名誉あるポストで、議会を代表して街の中のさまざまな場所に顔を出すため、名前も顔も知れて次の選挙に有利になる場合もあるという。

その上で、もし今回、吉松県議の証言が事実であれば、公平・公正であるはずの議長のポストがお金で買われたという疑念を抱かせてしまって、地方政治への信頼を揺るがしかねないとして、やはり県議会としては全容を明らかにすることが求められるとしている。

榎並大二郎キャスター:
福岡県議会はきょう、外部有識者によるこの調査を全ての議員を対象に行うと発表しました。県民の皆さんからしてもこれは気になることだと思いますから、一刻も早い真実の究明というのが待たれます。
(「イット!」7月9日放送より)