この夏も猛暑が予想されている。台風が運ぶ熱帯の空気と、山越えで加速するフェーン現象が合わさることで引き起こされる猛暑のメカニズムを、村田光広気象予報士が解説する。
偏西風が蛇行しエルニーニョ現象も発生
ヨーロッパで発生している40度を超える熱波。偏西風の大きな蛇行によってサハラ砂漠からの熱風が流れ込んでいることが原因とみられている。
この熱波が日本列島に到達することはないが、偏西風の蛇行とエルニーニョ現象という2つの要因が重なることで、この夏は日本でも異常な高温が起こりやすい状況といえる。
台風が運んだ高温の空気がフェーン現象でさらに“熱風”に
過去のデータを振り返ると、あるパターンが浮かび上がる。
坂井市三国で39.7度を記録した2023年8月9日、小浜市で39.1度を記録した2022年8月1日の天気図をみると、「台風」という共通点が。
台風が熱帯の湿った高温の空気を運び、その空気が山を越えるとき、今度は乾いた熱風となって日本海側へ吹き下ろす「フェーン現象」。熱帯由来の高温の空気が、このフェーン現象によってさらに加熱され記録的な高温となったのだ。
「台風の接近」と「フェーン現象」が組み合わさる日本海側特有のパターンにより、異常高温が引き起こされるのだ。
世界的に異常気象が起きやすい環境が整い、国内でも梅雨明けが早まっているこの夏、台風シーズンが本格化する8月以降は特に警戒が求められる。
梅雨が明けたばかりの時期は体が暑さに慣れていないケースも多く、急激な気温上昇には特に注意が必要だ。

