創部108年の名門が、いよいよ夏の頂点を狙う。富山商業高校野球部は昨秋・今春の富山県大会を連続制覇し、残るタイトルは夏のみ。「去年は有言実行できなかった」と語るエース・藤岡大翔選手(3年)が、最速147キロのストレートに磨きをかけ、19回目の夏の甲子園出場へチームをけん引している。

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「あと1本」の悔しさから始まった再出発

富山商業野球部は夏の甲子園に過去18回出場を誇る富山県の名門だ。しかし昨夏の大会では、3年連続甲子園出場をかけて挑んだものの、高岡商業に敗れベスト8に終わった。

主将の玉生大貴選手はあの夏をこう振り返る。「チャンスの場面であと1本出なかった。味方のエラーで失点したところが課題」。

悔しさをエネルギーに変えた新チームは、昨秋の大会で投打がかみ合い、決勝で高岡第一を破って8年ぶりの優勝を達成。勢いそのままに今春も制し、県大会2連続制覇を成し遂げた。

「足がつって負けた」昨夏のエースが、今夏の主役へ

チームの鍵を握るのは、2年生ながら去年の夏からエースを任されている藤岡大翔選手だ。昨夏は足がつるアクシデントもあり、悔しさを味わった。

「去年は有言実行できなかった。今年の夏は自分達が一番上ということもあるが、エースとしてチームを勝たさなければ」と藤岡選手は言葉に力を込める。

前崎秀和監督も「昨年の夏、背番号1をつけながら非常に悔しい思いをしたと思うので、去年の3年生の分まで頑張ってほしい」と期待を寄せる。

その言葉に応えるように、藤岡選手は最速147キロのストレートに磨きをかけてきた。昨秋の決勝では11奪三振・4安打1失点で完投。今春は打者としても5試合で6安打8打点、満塁ホームランも放つなど、まさに投打の柱としてチームを引っ張ってきた。

帽子に刻んだ「獅子奮迅」

藤岡選手の帽子とグローブには「獅子奮迅」の文字が記されている。「獅子が暴れ狂ったように奮闘するという意味だが、自分も最後なので夏の大会でも甲子園でも暴れようと」。3年間の集大成にかける覚悟がにじむ。

チームの土台は、藤岡選手を軸とした守備から試合を作る伝統のスタイルだ。課題だった打撃も春の大会で改善が見られ、けが人もなくチームの仕上がりは順調という。

前崎監督は「実践練習が非常に多いので、練習では考えて本番では考えずにプレーできるように、プレーする前にしっかり準備することを忘れずに臨みたい」と話す。考え抜いた準備を体に染み込ませ、本番では思い切りプレーする。それが富山商業の流儀だ。

目標は「富山県勢初のベスト4」

玉生主将は夏への決意を明かす。「新チームになって甲子園に行って富山県勢初のベスト4まで勝ち上がろうと話してきた。目標を達成するために富山県大会1戦必勝で必ず優勝する」。

第一シードの富山商業の1回戦は7月11日、昨年の優勝校・未来富山との対戦だ。昨夏の雪辱、そして甲子園での頂点へ。名門の夏が、いよいよ始まる。

(富山テレビ放送)

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