6日、愛知県警の捜査員が大阪拘置所に面会に来たとみられる10代の男に対し、任意同行を求めて声をかけようとしたところ、男はその場から逃走した。
幅およそ90メートルの大川に服を着たまま飛び込んで対岸まで泳ぎ切った後、別の人物が運転する車に乗って逃走したとみられています。男の行方は現在も分かっていない。
愛知県警の対応に問題はなかったのか。元兵庫県警刑事部長の棚瀬誠氏が解説した。
■愛知県警の対応に問題はなかったのか
今回の愛知県警の対応に問題はなかったのか。棚瀬氏は、現場が大阪で愛知県警の管轄外であったことを踏まえ、手続き上のルールを説明した。
棚瀬誠氏:容疑者の逮捕や、関係先の捜索・差押えが他府県に及ぶことは多くあります。そういった捜査活動を管轄外でする場合には事前に情報を提供・共有するというルールになっています。
逮捕状を取得していたということですので、もしこの現場や大阪での逮捕状の執行を想定しているのであれば、少なくとも3人は捜査員がいたのではないかなと思います。
また、今回出動したのが愛知県警の組織犯罪特別捜査課であったことについては、「特殊詐欺を代表とする犯罪組織が関与する事件を捜査する部署」と説明した。

■男を“取り逃がした”ことについて「これは失敗と言わざるを得ないと思います」
その上で、男が逃走したことについて、棚瀬氏は「一番残念なのは愛知県警の捜査員だと思いますけれども、率直なところをこれは失敗と言わざるを得ないと思います」と話した。
一方で、今回の事態が「失態であるということまでは厳しく言えない」と述べた。
棚瀬誠氏:職務質問をする前に逃げられたとか、例えば捜索・差押えをしようと思ったときに現場に関係者がいなかったとか、いろいろな“イレギュラー”が起きます。
これをもって、すべての捜査が失態であるということまでは厳しく言えないんじゃないかと思いますけれども、本当に結論としては残念な結果ということだと思います。目的は果たせなかったということにはなるわけですからね。

■逃走の可能性をどこまで想定していたのか
愛知県警の捜査員は逃走の可能性をどこまで想定していたのだろうか。棚瀬氏は、次のように分析した。
棚瀬誠氏:恐らく大阪拘置所に男が面会に来るという情報を事前に把握した上で捜査態勢を作っていたのではないかと思います。
逃走のルートだとか、誰と一緒に来るのかといろんなバリエーションを考えた上で捜査員は配置していたと思います。3人以上の捜査員が現場にいたということも考えられます。
事前に複数の想定を立てた上での捜査態勢であったと感がられるとしながらも、今回はすり抜けられた形となった。

■今後の捜査は「大阪府警のサポートを得ながら愛知県警が主体的に捜査」
今後の捜査について、棚瀬氏は大阪府警との連携のあり方にも言及した。
棚瀬誠氏:今回は車で逃走しているということですから、まさに防犯カメラの捜査などを大阪府警の協力を得ながら愛知県警が主体的にしていく。
あくまで愛知県警の事件ですので愛知県警がやるんですけれども、大阪に詳しい大阪府警のサポートをもらいながら捜査していくということになります。

■公開手配の可能性は
さらに、男の行方が分からないことから「公開手配」の可能性についても言及した。
棚瀬誠氏:男が逃走したのは、まさに本人が自覚をしていて、逃げたということだと思います。
警察に把握されないように隠れていたり、逃げていたりするということだと思いますから、今回の大阪拘置所のチャンスを逃してしまったっていうのは残念な失敗だと思います。
今後も同じく事前の情報であったり捜査の糸口をたぐりながら、男がどこにいるのか、どのタイミングで身柄を確保することができるのか、今後また一からやり直す、もう一度仕切り直すというのが今後の捜査の課題になると思います。
今後、公開手配の可能性については、「一般論ですけれども、逮捕状を取得しているという前提であれば、その逮捕状に書かれている罪名と容疑者の属性を前提に要件を満たせば公開捜査も考えられると思います」と述べた。
(関西テレビ「newsランナー」 2026年7月7日放送)

