小麦粉の高騰や包装材の値上げに直面し、苦渋の決断を迫られる福島市の老舗パン店。その一方で、米は在庫量が過去最高を記録し、価格の下落基調が続いている。主食を巡る対照的な現状が見えてきた。
■小麦粉価格の高騰
丁寧に手作りされたパンが人気の福島市の「光月堂パン店」。100年以上続く歴史の中でいま、頭を悩ませる状況が続いている。
「国内のもあるのかもしれないけど、高いから。パン屋さんは小麦粉たくさん使うので、そこが上がるっていうのは大きなダメージを受けるっていうことですよね」
と語るのは光月堂の渡邉政晴社長。悩みの種は、パン作りに欠かせない小麦粉の価格高騰だ。
小麦は、国内需要の8割以上を輸入に頼っているが、中東情勢の悪化や円安など様々な要因が重なり、政府から製粉会社への売渡価格は、2026年4月に3年ぶりに引き上げられた。
■追い打ちかける値上げ
さらに、渡邉社長は「フードパックの値上がりと、包装紙・袋系も上がると言われてます。全部ですよ全部」と語る。「社会情勢が分かるから、それもいたし方ないって思いながら受けるしかないような感じ。本当は“ごめん勘弁してください”って言いたいんですけどね」と吐露する。
値上げせざるを得ない状況だが、この店では市内の高校にパンを卸すなど、客の半分が若い生徒や学生たち。「安い値段でお腹いっぱい食べてほしい」・・・そんな思いとの葛藤が続く。
「本当は値段あげたくないっていう部分があるけど、お店が苦しくなってしまうので、どうしても上げざるを得ない。板挟み状態ですかね」と渡邉社長は語った。
■米の価格は下落基調
一方、パンと対照的に価格が下がっているのがコメ。
農林水産省によると、全国のスーパー約1000店舗で販売されたコメ5キロの平均価格は直近で3554円だった。(※6月22日~28日週)
2025年9月以降は4000円を上回る水準で推移し1月には4416円まで上がったが、そこをピークに下落基調に転じている。
また民間在庫量は223万トンで、5月末時点として過去最高の水準となっている。2026年度産の新米が収穫されれば、いま在庫となっているコメは“古米”となるため、値下げして売り切ろうとする動きが一段と活発になるとみられている。
