今年2月、神埼市の物流会社に3人のタイ人ドライバーが入社しました。その背景にあるのは業界が抱える人手不足の問題です。受け入れる側と一人立ちを目指して研修に励む3人を取材しました。

指差しで安全を確認しながら真剣な顔つきでトラックを運転しているのは、タイ人の男性。
トミーさんこと、ナムシタン・チャチャワンさん44歳です。
今年の2月、神埼市に本社を置く物流会社トワードにイェーさんことジューシン・アシピットさん、バスさんことクムミ―・ピサヌさんと共に特定技能実習生として入社しました。

【ナムシタン・チャチャワンさん(トミーさん)】
「ちょっと今、練習中ですね。外でまだ運転していないけど仕事はいまドライバーさんに助けられています」

この日は会社の敷地内を走り、安全確認や運転の手順などを確認していました。
3人とも母国でトレーラーや農作業機械など大型・中型車両の運転経験があることもあってスムーズに危なげなくトラックを走らせます。
7月中旬ごろにドライバーとしてのデビューを目指して研修中です。
このように県内の物流会社で外国人のドライバーの受け入れが進んでいる背景には物流業界の人手不足問題があります。
いわゆる、2024年問題・2030年問題です。
2024年の法改正により、トラックドライバーの時間外労働が年間960時間に制限されたことで輸送能力の不足が不安視されました。
さらに2030年には国内人口の3人に1人が65歳以上になると想定され、ドライバー不足がさらに深刻になると危惧されています。

【県トラック協会 石橋憲茂専務理事】
「もし何も対策を打たなければ2024年、14%の輸送力がなくなる。そういったことが2024年問題でした。加えて、一番の問題は労働力、トラックドライバーの不足。これが2030年問題。何とかこれを補わななければならない。それができなかったら2030年には34%。これは試算なんですけど、物流が不足すると言われています」

人手不足の解消が喫緊の課題として、業界全体で賃金の引き上げや労働環境の改善など対策が行われる中、外国人労働者の受け入れもその解決策のひとつとして注目されています。
県内で働く外国人の数は去年の10月時点で9932人。
毎年1000人前後増加しています。
昼食は社内の休憩室でそれぞれ手作り弁当を持参して食べます。
そのメニューや味付けはタイ人ならでは。

【ナムシタン・チャチャワンさん(トミーさん)】
「ナンプラーという名前。ナンプラーパル。ナンプラーは”魚“ですね」

【クムミ―・ピサヌさん(バスさん)】
「トウガラシと魚を一緒に混ぜて一緒に食べます」

【ナムシタン・チャチャワンさん(トミーさん)】
「辛いけどタイ人は辛いのは大好きです」

3人の指導を担当する森山さんはトワードが3人の採用にあたって一番重視したのは人柄だったと話します。

【トワード九州配送課 森山学部門長補佐】
「非常に笑顔がいい。そして前向きに、人懐っこいというところで他のドライバー、社員にも好かれるようなキャラクターをされてますのですごく3人とも愛されているかと思います」

今回の採用には県のサポートもありました。
外国人労働者の現地での採用から就職後のサポートまでを行う中間業者と受け入れ業者をマッチングする事業です。

【県産業人材課 本田和大主任主査】
「外国人材の採用を考えたいけどもどういうところから始めたらいいか分からないですとかそういった声がありましてそれを踏まえて、どういった形で採用ができるのかというモデルケースを作ることで業界に貢献できるのではないかと取り組んでいます」

また、県は去年7月、佐賀市の佐賀商工ビルに「さが外国人材雇用サポートセンター」も開設。
外国人雇用に関する事業者の相談受付や支援を行っています。
3人は会社が借り上げたアパートでルームシェアをしています。
部屋を覗かせてもらうと、イェーさんは机に向かっていました。

Q日本語には慣れてきた?
【ジューシン・アシピットさん(イェーさん)】
「あー、そうですねちょっと大変ですけど、難しいのは漢字。仕事終わってから、1日に1~2時間くらい勉強してて」

タイの車線は日本と同じ左側通行であることや1年の気候の変動も比較的近いことなどから日本は過ごしやすいと話す3人。今後の目標は・・・。

【ジューシン・アシピットさん(イェーさん)】
「大型のドライバーになりたい。その前にちゃんと中型のいいメンバーになって日本人と一緒に仕事できること、それが最初の自分の目標です」
【クムミ―・ピサヌさん(バスさん)】
「日本の知識ですね運転の知識とかコストの管理とか他の人との連携の知識とかそれらを持って帰ってタイの国を開発して日本みたいに向上できるように頑張りたいと思う」
【ナムシタン・チャチャワンさん(トミーさん)】
「今は中型のドライバーになりたい。そして大型も運転したい。そして特定技能2号が取れたら家族と一緒に住みたいです」

3人は特定技能実習生として日本で働いていますが、この特定技能の制度は国内で人材確保が難しい一部の産業で専門的なスキルを持つ外国人を受け入れるために7年前に導入されたものです。
現在は16の分野がありますが、そのうち3人が働く自動車運送業は鉄道、林業、木材産業とともに2年前に追加されました。
また、来年頃にはさらに、倉庫管理など3分野が追加される予定です。

サガテレビ
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