相続税や贈与税の算定基準となる路線価。最新価格が発表された。2026年、福岡県内で最も高い路線価となったのが、福岡市・天神の渡辺通り。“天神ビックバン”によって供給されたオフィスへの入居も進んでいるということで、更に活気づいているエリアだ。
上昇率全国1位だったが7位に後退
46年連続で県内最高額となった福岡市天神2丁目の渡辺通り。

1平方メートルあたりの価格は992万円で、前の年から2.5%上昇した。天神ビッグバンで大量供給されたオフィスの空室率が低下し、賃料も上がっていることなどが地価上昇の要因となった。

また、高い上昇率をキープしているのが福岡市早良区の西新4丁目。交通の利便性に加え、学校区も人気があり、全国的にマンション需要の高いエリアだ。

1平方メートルあたりの価格は160万円で、前の年から9.6%上昇した。

福岡県全体では、2026年の上昇率は4.2%で、伸び率が5年ぶりに縮小。2年前は、上昇率全国1位だったが、7位に後退した。

不動産鑑定士の浅川博範さんは「割と福岡市は早めに地価が上昇してきて、尚且つ全国でもトップクラスになったこともありました。ある程度、上昇して今、一服感が出ているじ」と分析する。

「子育て世帯には環境が良くなりました」
福岡市内は伸び率が鈍化しているというが、一方、ベッドタウンでは地価の上昇が相次いでいる。

なかでも天神から特急で約10分、西鉄春日原駅。県内の路線価で上昇率トップとなったのが、駅前通りだ。

1平方メートルあたりの価格は58万円で、前の年から16%アップした。

「特急も止まるようになったから、どれに乗っても帰って来られる」「意外と家賃も安いから住みやすい」「スタバもあるし、何でもある」と住民も満足する県内トップの上昇率。

駅前で進められている再開発。2022年に高架化が完了し、2024年から特急列車が停車するようになった。駅舎に直結する商業施設も全面開業し、利便性が向上したことも地価上昇の要因になっている。

駅前にある地元の不動産会社『オクゼン不動産』の木下拓也さんは「もともと昔ながらの建物が建ち並んでいたところが、新しく高架になって街並みがどんどんきれいになっていっている。天神まで10分ほどで行けるようになりましたし、JR春日駅もすぐ近くにありますので、交通の利便性についてはいいエリアではないか。乗降者数も以前より増えているんじゃないかという感触があります」とオクゼン不動産の木下さんは上昇率トップの要因を分析する。

マンション 6000万円超えの部屋は完売
駅の賑わいが増すなか、周辺で活発化していているのがマンション建設の動きだ。春日原駅徒歩2分の場所に建設中の分譲マンション『サンパーク春日原駅イクシア』。14階建てでワンフロアが4邸、計52世帯。一体、どんな物件なのか、モデルルームに関係者を訪ねた。

部屋は、LDKで17.8帖、テレワークスペース4帖の部屋をリビングに合体させるかたちで、全体で22帖ほどになる。専有面積、約80平米の3LDKタイプ。ずばり価格は6000万円超え。実はこちらのタイプはすでに完売。ただし、74平米と67平米の5000万円台の部屋はまだ空きがあるという。

『大英エステート』の和田壮平さんは、高いが、福岡市内にと比べると割安感があると話す。更に県外からの問いあわせについても、高くなっている関東圏から移住しようと考えている人や投資目的の人などもいるという。

今回、路線価の上昇率が県内トップになったことについては、間違いなく追い風になっているという。「お客様の反響が大きくなってきているというのと契約に至るまでのお客様のスピードが速くなってきているので、肌感覚では感じていましたが、まさか1位と思っていなかったです」(『大英エステート』和田壮平さん)。

マンション販売の現場も大きな期待を寄せる春日原駅前エリア。今後の見通しについて不動産鑑定士の浅川博範さんは「やはり鉄道の駅近く、だいたい通勤30分圏内ですね、そのエリアが需要としては安定的だと思われますので、もしかしたら上昇幅が縮小するかもしれませんが、今後も上昇基調にあることは間違いないかなと思います」と話した。
(テレビ西日本)

