海外視察問題などに揺れる福岡県議会。その県議会議員2人が、議長、副議長就任に際して、自民党県議団の幹部に合計2750万円を現金で支払ったとテレビ西日本報道部の取材に対して証言した。
「カツアゲされたようなもの」
「自民党県議団の中には『汗をかく』という言葉があるんですよ。ことあるごとに『会派のために汗をかかないといけないぞ』と言われる。請求書が回ってくるということが文化としてある。カツアゲされたようなものだと思っています」と話すのは、福岡県議会現職議員の吉松源昭県議(58)。

吉松県議は、自民党に所属していた2020年6月から1年間、県議会議長を務めた。

その就任に際し、自民党県議団の幹部から他会派への根回しのゴルフ代などの名目で繰り返し現金を要求され、友人から借金するなどして用意したと証言したのだ。

現金受け渡し場所は議会棟の自民党応接室
「2018年12月だったと思うが、自民党幹部から『これから議会運営に汗をかく気はあるんだろう?』と(言われた)。『あります』と(応えた)」

「『他会派との懇親ゴルフの費用を持ってくれ』という話があった。その額がちょっと大きく550万円と(言われた)。『うわっ』と思ったけど、出世コースから外されたり、最悪、自民党から外されたりすることもあり得ますから、応じたということですね」

「(どこで?)議会棟の応接室だったと思いますね、自民党の。(領収書のようなものは?)もちろん、ないですよ」

現金の受け渡しは1回きりだったのか?吉松議員に尋ねると「それから半年後くらいに『1000万円』ってまた言われて。(合計)ちょうど私が2000万円くらい」だと応えた。

録音された生々しい音声
更に吉松県議は、自民党県議団幹部との実際のやり取りを録音し、残していた。そこには生々しい音声が録音されていた。

「今年は『蔵内会』をやって『マスターズ』。『マスターズ』というのは他会派も含めてやっている(ゴルフ)」(録音音声より)

「あした、預かります。責任持ってちゃんと立ち会いますから。ちょっとね、大金やけんね、管理しとかんと」(録音音声より)

“県議会のドン”と呼ばれる蔵内議長の名前のもと現金を要求されたケースもあったという。

自民党県議団は「事実ない」と否定
一方、ゴルフ代の支払いを求めたとされる自民党県議団の幹部、原口剣生県議(71)は、強く否定した。

原口県議は「そういうことは記憶にない。その時期がいつなのかということも全く覚えていないし、そういった事実もない」と記者に対してインターホン越しに応えた。

また音声データで吉松県議がやりとりした相手とみられる中尾正幸県議(61)も全面的に否定し「あす(7月6日)、会見で全てを話す」としている。

そして自民党幹部に現金を渡したことを認めたのは吉松県議だけではない。当時、副議長に就任した江藤秀之県議(66)も500万円などを渡したことを認めたのだ。

「うん、間違いなく、それはした。副議長の時は500万円、議長の時は何か1000万円か知らんけど」と話す江藤県議。

証言によると、吉松、江藤両県議が支払った金額は計2750万円にのぼる。

「県民の税金までカツアゲし始めた」
現在、自民党県議団を離脱している吉松県議は、県議会に関するさまざまな問題の根を絶つために証言に踏み切ったと話す。

「パーティー券問題もこれは或る意味、県職員がカツアゲされたじゃないですか。とうとう県民の税金までカツアゲし出したんだと。海外視察で、恐らくちゃんと調べれば、数千万円とか数億円の無駄遣いがあるだろうと思うんですが、これがとうとう税金にまで手をつけたと。これはさすがにやめさせなければならない、やめなければならない。その構造自体を絶たなきゃいけないという思いで今回、話をする気になりました」(吉松源昭 福岡県議)。

正副議長のポストを巡る現金の受け渡しについて、今後、自民党県議団には説明責任が厳しく問われる。
(テレビ西日本)

