違法開発問題で2025年、閉園した札幌市南区の動物園、「ノースサファリサッポロ」。

 無許可建築物の撤去期限まで4か月を切りました。

 動物たちの行方はどうなっているのでしょうか。

 2025年9月の閉園から7か月半がたった5月上旬、ノースサファリの運営会社、「サクセス観光」が除却命令が出されてから初めて、UHBに本音を明かしました。

 「動物の健康面に配慮しつつ、移動方法・移動先を見つけることが難しい」(サクセス観光の代理人弁護士による)

 無許可建築物の撤去に動物の移動は不可欠です。1年あまり続く違法開発問題で、人間たちの思惑に振り回され、居場所を失った動物たち。手を差し伸べた人がいました。

 三重県大紀町(たいきちょう)にある民間動物園、「大内山動物園」。

 飼育されている約110種類、690匹の動物のうち、9割は保護動物です。ケガをした野生動物や施設の閉鎖で行き場を失くした展示動物などを受け入れ続けています。

 「はい、ジョージ(ニホンザルの名前)」(山本清號 園長)

 「ジョージは、どういう引き取りの経緯?」(記者)

 「車にひかれた。それで病院に行って治した」(山本清號 園長)

 園長の山本清號さん。隣の愛知県で建築設備会社を経営しながら週に2回、通っています。

 2008年に前園長が亡くなり、運営を引き継いで、年間・億単位の運営費を私財で賄ってきました。

 幼いころから、さまざまな動物と過ごしたことではぐくまれた動物への愛情からでした。

 「(このアライグマは)北海道から来た。この4匹ね。北海道の動物園から。『保護してくれ』って言われた」(山本清號 園長)

 「ノースサファリですか?」(記者)

 「そうそう」(山本清號 園長)

 「大内山動物園に来た時はどんな感じでしたか?」(記者)

 「最初は怯えていたけど、途中から懐いてね」(山本清號 園長)

 大内山動物園は2025年5月、ノースサファリからアライグマ4匹と、メンフクロウ2羽を引き取りました。

 遠く離れていても、行き場をなくした動物たちを放ってはおけませんでした。

 「動物がかわいそうだなと思う。ただ、それだけ」

 「人間たちがそういうふうにしたわけだから。残った動物をどうするか知らないけど、動物がかわいそうだよね」

 「そういう動物たちを助けてあげられればいいなと」(山本清號 園長)

 「自発的な是正を期待することは困難であろうというふうに判断をして、除却命令を発出することといたしました」(秋元克広 札幌市長)

 原則、開発が禁止される市街化調整区域に20年間、無許可で建てられてきた獣舎や宿泊施設などの数は最大183棟。

 札幌市は2026年3月、サクセス観光に無許可建築物を2026年10月末までに完全撤去するよう命じました。

 しかし、今(5月29日時点)も30棟あまりの建築物が残っています。

 一方で、最大640匹いた動物は2026年3月時点で219匹まで減ったものの、4月末時点で221匹と2匹増加。群れで生活する、ほ乳類が繁殖していました。

 果たして、動物たちの安住の地は見つかるのでしょうか。

 「動物がかわいそうだから、いろいろお話を聞いたら移すところもないような話を聞いた。『何かお手伝いできることはないんですか』ということで(動き出した)」(ビーチキャピタル 赤沢芳樹 社長)

 東京の投資会社、「ビーチキャピタル」。

 2025年12月、ノースサファリの動物を引き取り、新・動物園計画を立ち上げましたが、候補地周辺の住民説明会は紛糾しました。

 「聞く耳持てません!反対ですから!」(いずれも住民)

 「それもよくご意見として…」(赤沢社長)

 「絶対反対ですから!」(住民)

 新・動物園計画は一旦、白紙になったものの、赤沢芳樹社長は4か月ぶりに来道。札幌市の幹部と初めて面会するなど計画を再始動させ、動物たちの行き先探しに奔走しています。

 「周りの人や行政の人が『ここならいいよ』という場所が探せて、そこにスムーズになるだけ早く動物たちを移そうと思う。タイムリミットみたいなものがありますから」(ビーチキャピタル 赤沢芳樹 社長)

 10月末に迫る無許可建築物の撤去期限。

 人間たちは”答え”を見出せるのか…。

 動物たちは静かに見つめています。

北海道文化放送
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