求人を出しても応募がない。採用した社員はすぐに辞めてしまう。そんな悩みを抱える中小企業が多い今、人手不足解消に向け、企業に寄り添い、伴走する岡山の人材戦略プランナーに密着しました。
「中小企業・小規模事業者でこれから最大の課題となるのが育成。人材育成がきちんと仕組み化できていない所は、採用は難しくなってくるのかなと思う」
そう話すのは、自らを「人材戦略プランナー」と名乗る森本将行さん。
森本さんは岡山県内の中小企業を中心に経営者や採用担当者対象のセミナーに講師として引っ張りだこ。この日は岡山県や商工会議所が主催する「人手不足対応強化セミナー」に登壇。オンラインを含めて40人が参加しました。森本さんら支援員は企業を3回訪問し、求人から採用、人材育成までを伴走支援します。
(訪問介護ステーション経営者)
「看護業界は人材不足でいつも困っていて、きょうはぜひ話を聞きたくて来た。求人媒体に求人票は載せているが、もっといい方法がないか。色々とアイデアを得たので実践したい」
こちらは、2025年度の岡山県内の新規求職者数を年代別に表したものです。少子化の影響で44歳以下の働き手が少ない傾向が続いています。
会社の将来を支える若い人材が大手企業へ流れると、中小企業には人材が集まりにくい状況にあります。
(岡山商工会議所中小企業支援部 枝純一郎次長)
「専門家が入ることで企業側では気付かなかったことに気付けたり、「違う強みを前面に押していけば」というアドバイスから、HPや求人票を工夫することで採用につながった事例があった」
森本さんは大学卒業後、求人情報誌の営業を経て人材派遣会社に転職。年商2億円の拠点を8年間で25億円規模に成長させるなどの実績を積み、2010年、36歳で独立。以来、中小企業の人手不足解消のために、精力的に活動しています。
(ナショナル発条の朝礼)
「発条(ばね)の可能性と魅力を追求し、お客さまの健康を支える製品を開発し続けることで社会に貢献します」
倉敷市のナショナル発条。ベッドのスプリングを製造する会社でメーカーシェアは約7割。しかし、ここにも人手不足の波が。
(ナショナル発条 藤井秀和社長)
「高齢化が進んでいて、この先、会社の存続に関わることから新しい若い人材を入れたかった。(以前は)募集をかけても応募が来なかったが、毎月、応募が来るようになった」
求職者はスマホで企業の情報を得て応募することが多く、森本さんはホームページの刷新を勧めました。会社の強みを前面に打ち出し、入社後の自分がイメージしやすい内容にしたところ、18人の応募があり、2人を採用することができたということです。
(ナショナル発条 藤井秀和社長)
「SNSでの(企業情報の)発信や新しいオリーブ事業を1からつくることができる人材が欲しかった。人を選べたのは大きかった」
この日、森本さんが向かったのは岡山市内の保険代理店。
(人材戦略プランナー 森本将行さん)
「3カ月間募集と選考を支援して、18人の応募があり2人内定につなげた。入社日も決まっているので、きょうは試用期間中の研修プログラムを一緒に作る」
この会社にはある課題が。ここ2年間、7人を採用したものの、このうち4人が辞めてしまったのです。多くの企業が採用をゴールと捉える中、森本さんは、入社から3カ月後までが定着のカギを握るといいます。
(人材戦略プランナー 森本将行さん)
「会社になじむまでの期間を皆さんとわれわれで試用期間のプログラムを一緒に作るので、プログラムを通じ、新入社員の伴走支援をしていきたい」
森本さんは、社員と新入社員との1オン1ミーティングや業務内容の指導など社内の役割分担を決めていきました。
(山陽アルファ 中浩二社長)
「(これまでは)きょう話し合われたような体制が全くないままで採用して、“(誰かに)任せた。他の人は知らない”では当然ダメなんだと初めて気付かされた」
(人材戦略プランナー 森本将行さん)
「これまで、人材募集の経験や選考面接も3000人しているし、入社後の定着・育成もたくさんの企業を支援している。そこを一気通貫でアドバイスできる人は多そうであまりおらず、オファーがある」
強みが見つけにくい業種でも「ここで働きたい」という魅力は生み出せる・・・。その道筋を示すため、森本さんの伴走は続きます。
