29日に脱線事故が起きた近鉄京都線は、丸1日以上かけて復旧作業が行われ、30日朝、運転が再開されました。
脱線の原因が分かっていない中での運転再開。
鉄道の保守・点検について詳しい専門家によると、今回の事故は「線路側・車両側単体で見ても問題なくとも少しのズレがお互いに重なり合って脱線した可能性」があり、通勤ラッシュの時間帯に起きていれば、死傷者が出た可能性もあったと指摘しました。
■ホームを出て120メートル先のカーブを曲がる際に列車の2両目と3両目が脱線
きょう(30日)未明の近鉄京都駅。暗がりの中、ヘルメットを被った作業員が脱線した車両を線路に戻していました。
そして、午前3時16分に脱線した列車の移動が始まり、別の列車に連結され、車庫へと運ばれていきました。
きのう(29日)午前5時すぎ、近鉄京都駅の構内で、橿原神宮前行きの始発の普通列車が脱線しました。
近鉄によると、ホームを出て120メートル進んだ先のカーブを曲がる際に列車の2両目と3両目が脱線。
復旧には相当時間がかかるとして、29日は終日、一部区間で運転見合わせとなりました。けが人はいませんでした。
■事故から丸1日以上経ち、全線で運転が再開
【記者レポート】「午前6時半です。事故現場では、現在車両が撤去され、多くの人が作業を続けています」
一夜明けても事故が起きたカーブ上では、点検作業が続いていました。通勤ラッシュの時間帯には、乗客が駅員に「運転再開の目処」を確認する様子もみられました。
【利用客】「まあさすがにきょうは大丈夫やろと思ってきたら、こういう状態なので…」
そして、事故から丸1日以上たった午前7時半にようやく全線で運転が再開。列車がカーブをゆっくりと通過する様子が確認できました。
国の運輸安全委員会の鉄道事故調査官は、30日も引き続き、車庫に移された脱線車両の調査を行いました。
■なぜ事故は起きたのか
なぜ事故は起きたのでしょうか。
現場のカーブには、「シーサースクロッシング」と呼ばれる、システム制御されている分岐器があります。
駅のホームを出発した列車は、この分岐点を通過して下りの本線に入る予定でしたが、2両目と3両目が脱輪したということです。
近鉄は、「原因は特定できていない」としつつ、この分岐器の制御システムには異常はなかったと説明しています。
■専門家は「複合的な要因が重なった可能性」指摘
鉄道の保守・点検について詳しい関西大学の吉田裕教授は、この事故について「複合的な要因が重なった可能性がある」と指摘します。
【関西大学社会安全学部 吉田裕教授】「レールの断面がすり減ることによって変形していくレールもあれば、レールと接触している車輪の断面形状に(問題があった可能性)も考えられます。
線路側、車両側単体で見ても問題はないかもしれませんが、少しのずれがお互いに重なり合って脱線に至った可能性はあります」
そのうえで通勤ラッシュの時間帯に起きていれば、死傷者が出た可能性があったと指摘します。
【関西大学社会安全学部 吉田裕教授】「運行頻度が高い時間帯ですと、やっぱり頻繁に(車両が)出入りします。そのときに同じ箇所で反対から来た列車と衝突した可能性はあったのではないかと思います」
国土交通省は「原因究明と再発防止策の検討」を指示しています。
(関西テレビ「newsランナー」 2026年6月30日放送)
