1年前の6月29日に行われた高岡市長選挙で初当選した出町譲市長、そのキャッチフレーズは「チェンジ」。市民が選択したチェンジから1年、現在地を探ります。

29日の朝、出町市長が単独インタビューに応じました。

*高岡市 出町譲市長
「自分で言うのも何ですが、かなりチェンジを達成しているという思い」

チェンジは言わば出町市長の公約、1年の成果を挙げてもらいました。

(以下、市長本人の提示)
・まちかどトーク・小中学校まわり実施
・市政特別・政策アドバイザー設置
・液状化対策「住民負担ゼロ」実現
・復興会議・「復興ベース(仮)」設置
・被災者交流事業
・公的4病院長との協議
・公共交通の勉強会
・新高岡駅の駐車場不足改善
・おむつ券支給
・古城公園の磨き上げ
・移住新婚世帯への助成
・総合計画基本構想の策定
・市長報酬カット
・市長公用車廃止

一番上の「まちかどトーク」は出町市長が市民の声を直接聞くタウンミーティングですが、市内36地区のうち33地区まで回ったそうです。

「液状化対策の住民負担ゼロ」は前の市長も取り組んでいましたが、赤字経営が続く病院の改革や路線バスなど公共交通を活かしたまちづくりは従来の高岡市政ではあまり見られなかった動きです。

これらに加えて、とりわけ大きなチェンジ、従来の方針ががらりと転換されたのが、老朽化した市役所、庁舎とスポーツ施設の整備方針、2つの白紙撤回でした。

まずは庁舎整備の現在地です。

整備のロードマップが白紙撤回されたのが去年9月、ではどうするのか。今年11月に市民アンケートを実施し、今年度内に庁舎整備の方向性を固めるということですが、ロードマップで示されていた今年度の検討委員会設置や2034年度の竣工時期も撤回され、まさに白紙の状態です。

そして、庁舎整備を巡って今年4月、出町市長が提起したのがこの問題でした。

*高岡市 出町譲市長
「活断層が通っている、最近、認識した。利用方法をどうするか、それ(活断層)を前提としなければいけない。私が就任する前の段階では、あそこに市役所を建てようという考えで検討が進んでいた」

あそこというのは高岡駅の南側に位置する東西南北約100mのまとまった土地のこと、去年3月、市の土地開発公社が取得し、現在は駐車場となっています。

出町市長は活断層が通るとされる土地ありきで庁舎を建てる検討が進められていたと、改めて疑問を呈したのです。

*活断層の存在を指摘された土地の地元 下関校下連合自治会 北林和正会長
「断層があるのが事実であれば(発言は)取り消せではない、あるならあるで調べた上で、根拠を明示してほしい」

出町市長の問題提起の元になったのが、国土地理院が2015年に発行した活断層図。
これを書いた専門家に聞きました。

*「高岡断層」を調べた広島大学大学院 地理学教室 後藤秀昭教授
「高岡大仏のある丘の辺りは大変、明瞭な活断層が造った地形。その南延長(高岡駅南側の土地)については、やや不確実。どこを通っているか調べる必要がある。調探査をして地下のイメージング、ボーリングを掘って地層の様子を確認する方法が考えられる。(活断層の)場所を捉えることが第一。かかってないかもしれない、赤い線が破線になっているが、この辺りという表現。調査したうえで土地利用について検討するのがいい」

*高岡市 出町譲市長
「活断層は部分的な地域だけ(調査を)やってもものすごい費用がかかる、一つの地域だけではなく広域的、部分部分で(調査を)してもよくわからない。国に(調査を)要望するしかない」

文部科学省の地震調査研究推進本部に高岡市が要望している詳細な調査について実施の見込みはあるか聞いたところ、ないとの返答でした。

活断層の存在を前提とした利用方法を考えるとは言え、その影響が分からないのでは限界もあると思います。

市民の安全・安心に直結し、市民感情も左右する大きな課題だと思います。

高岡駅南側の土地には1970年代から市民の暮らしを彩った大型ショッピングセンター「ダイエー高岡店」がありました。

地下1階には、若者に人気のハンバーガースタンドがあり、何かいいことがあった日に食べに行ったり、駅を挟んで反対側のクレープ屋さんとどちらに行くか楽しい選択をしたり、この場所は多くの人にとって、ワクワクした大事な思い出の地です。高岡の顔とも言うべき駅前の一等地でもあり、まちづくりの可能性は大きいものがあります。活断層の対応を含め、市民が納得できる活用方法を示してほしいと思います。

そして、もう一つの大きなチェンジが先月、出町市長が表明したスポーツ施設の整備方針、その白紙撤回です。

3年後の2029年度に竣工する計画だった竹平記念体育館のサブアリーナ建設を取り止め、財政難を理由に2017年に凍結された新高岡駅近くの高岡スポーツコアに段階的に総合体育館を整備する計画を再始動させました。

総合体育館の核となる新体育館の竣工は2031年度と、竹平サブと比べると2年遅れることになります。

*高岡市 出町譲市長
「遅れることは遅れる、でも竹平記念体育館のサブアリーナを造ったら、スポーツコアの(総合体育館整備)はもう止めますかという話になる。スポーツを核としたまちづくりの中核になる。まちの次のステージを見せたつもり」

急転直下の方針転換に、議会を含め、理解は深まっていません。

チェンジ1年の現在地、庁舎整備も、それに伴ってクローズアップされた駅南の土地利用も、スポーツ施設整備も、大きな方針転換の中身は将来像が見えない、まさに白紙の状態です。

*高岡市民
「駅南の土地開発、市の中のやりとりだけになっている。住民にわかりやすく、活用を含めて(示してほしい)」
「チェンジした感じは実感としてはあまりない、まだこれから、もうちょっと見ていきたい」
「今まで計画していたものを見直していたり、期待しているところはある」

*高岡市 出町譲市長
「目指す姿が見えないという人もいるが、議会で議論する、情報公開請求に応える、市民に実況生中継、サッカーの試合を見ているような気分で市政を見てもらいたい」

1年前、高岡市民が選択したチェンジは決して最終目的ではないはずです。チェンジの先のビジョンを見たいと思います。

富山テレビ
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