ある日、福島県南相馬市小高区の浦尻方面で、上空に浮かぶ「謎の赤い飛行物体」が目撃されました。飛行船のようにも見えるその不思議な物体の正体について、南相馬市役所に取材したところ、驚きの事実が明らかになりました。

正体は「宇宙開発の実験」

上空を浮遊していたのは、実はただの飛行船ではなく、宇宙事業を展開するスタートアップ企業「AstroX(アストロエックス)」による実証実験の気球でした。

謎の飛行船の正体は…AstroXによる実証実験
謎の飛行船の正体は…AstroXによる実証実験
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AstroXは4年前に南相馬市で設立されたベンチャー企業です。「JAPAN as No.1を目指す企業」を掲げ、南相馬市を拠点に日々宇宙開発に取り組んでいます。2024年には同市内でロケットの発射実験を行い、高度7kmまで上昇させることに成功した実績も持っています。
今回の実験では、上空約200mに気球を係留し、次世代のロケット打ち上げ方式に向けたデータの収集などを行っていました。

注目の「ロックーン方式」

AstroXが開発を進めているのは、「Rockoon(ロックーン)方式」と呼ばれる非常にユニークなロケット打ち上げ技術です。
 

ロックーン方式とは?
ロックーン方式とは?

通常、ロケットは地上から大量の燃料を使ってすさまじい空気抵抗に逆らいながら発射されます。しかし、この「Rockoon方式」では、まずロケットを巨大な気球に吊り下げて成層圏(高度20km前後)までゆっくりと運びます。そして、大気が非常に薄く空気抵抗がほとんどない成層圏に到達した段階で、空中からロケットに点火して宇宙空間(高度100km、衛星軌道500km前後)へと打ち上げます。

メリットは「圧倒的な低コスト化」

この方式の最大のメリットは、地上から打ち上げるよりも空気抵抗を劇的に減らせるため、ロケットを動かす燃料の量を大幅に削減できる点にあります。燃料が少なくて済むということは、ロケット自体を小型化・軽量化でき、結果として「圧倒的な低価格」での打ち上げが可能になります。

目撃した人もびっくり! 気になる飛行物体
目撃した人もびっくり! 気になる飛行物体

現在、世界中で人工衛星などの需要が高まっていますが、打ち上げコストの高さが大きな壁となっています。この技術が確立されれば、誰もが手軽に宇宙へアクセスできる未来がやってくるかもしれません。

南相馬の空で行われていた実験は、私たちの生活やビジネスを宇宙とつなぐ、未来の大きな一歩でした。

福島・南相馬市で設立されたAstroX
福島・南相馬市で設立されたAstroX

※この記事は、福島テレビ・夕方のニュース番組「テレポートプラス」内の天気コーナー「福テレ空ネット」の放送内容(2026年6月10日放送)をもとに構成されています。

(福島テレビ)

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