ある「モノ言う株主」が、関西の大手鉄道会社の株式の取得を進めている。

その人物は、20年前、阪神電鉄の株式を巡って世間を騒がせた旧村上ファンド元代表の娘。

いったいどんな意図があるのだろうか?

■大株主になって経営戦略の改善などを要求する“モノ言う株主”

記者リポート:大手私鉄、近鉄の株主総会に株主が続々と入っていきます。

19日、大阪市・天王寺区では、近鉄グループホールディングスの株主総会が開かれた。

株主が注目していたのが…

株主:旧村上ファンドの娘の絢さんが近鉄の株を大量保有されているという事で。

記者リポート:近鉄グループの資料によると、野村絢氏が第三位の持ち株比率となっています。

野村絢氏は「モノ言う株主」として知られている。

株を買い集めて会社の大株主となり、経営戦略の改善などを要求して、株価の向上を狙うのだ。

近鉄グループ株主総会
近鉄グループ株主総会
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■野村氏の父は“阪急・阪神”経営統合のきっかけになった村上世彰氏

その野村氏の父は、「金儲け悪いことですか?僕は結果責任ですから!儲けないと」という発言で世間をにぎわせた、旧村上ファンドを率いた村上世彰氏。

2006年には、阪神電鉄の株式をおよそ47パーセント取得して大株主となり、阪神タイガースの上場などを迫ったが、ニッポン放送株を巡るインサイダー取引事件で逮捕。

村上氏が持っていた阪神電鉄の株は阪急ホールディングスに売却され、この騒動の結果、両社は経営統合することになった。

あの騒動から早20年、現在、娘の野村氏は、近鉄グループホールディングスの株式を2.7%、京阪電鉄を運営する京阪ホールディングスの株式を1.23%保有している。

旧村上ファンド・村上世彰氏
旧村上ファンド・村上世彰氏

■「意図は分かるが鉄道会社としてバランスを欠いたことはよくない」近鉄社長が語気を強める

再び、「モノ言う株主」によって、鉄道業界が再編されることまで起きてしまうのだろうか。19日の総会でも株主から野村氏の狙いについて質問が出た。

近鉄の若井敬社長は、「直接的な回答は差し控える」とした上で「機関投資家の意図は分かるが、鉄道会社としてバランスを欠いたことはよろしくないと思っている」などと少し語気を強めて話した。

近鉄の株主:無難な回答だと思いますね。阪急の時はいきなり再編というところまでいったが、そこまでいくかどうか。

京阪の株主:(機関投資家が)長期的な株主の利益なんて本当に考えているのか分からない。長期安定保有をしようとしている場合にはちょっと不安があります。

近鉄の株主
近鉄の株主

■ねらいは“不動産”か?

実は、野村氏はフジ・メディア・ホールディングスの株主にもなり、ことし2月には、経営陣に対し、不動産部門を分離するよう迫った。

専門家は、近鉄と京阪に対しても同様の狙いがあるのではと指摘する。

岩井コスモ証券アナリスト・有沢正一さん:特に不動産なんですが。それを十分に企業価値の向上に活かせてるのか。あるいは必要ない不動産を売却して成長投資に向けた方がいいんじゃないかと。そういった提案をなさるんだと思います。

岩井コスモ証券アナリスト・有沢正一さん
岩井コスモ証券アナリスト・有沢正一さん

■鉄道利用者にとって悪い話ではない?

「物言う株主」の存在は、鉄道利用者にも影響があるのだろうか。

岩井コスモ証券アナリスト・有沢正一さん:消費者利用者のメリットになることをしないと企業価値は向上しないし、株価も上がりません。利用者にとっても悪い話ではないと思います。

関西テレビは、今回の株式取得に関し、野村氏側に尋ねたが「取材をお断りしています」と回答されている。

(関西テレビ「newsランナー」 2026年6月19日放送)

“モノ言う株主” 野村絢氏
“モノ言う株主” 野村絢氏
関西テレビ
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