毎年6月は「歯と口の健康週間」です。福島県内の子どもの虫歯状況は改善傾向にあるものの、実は全国平均を上回る状態が続いています。
そこで、子どもの歯を守る「歯科医」に注目。親子で安心して通える小児歯科を取材しました。

■子ども専門の歯科医院
福島県福島市笹谷に2026年4月に開院した「福島赤ちゃんこども歯科矯正歯科」。0歳から小学6年生までを対象とした子ども専門の歯医者さんです。
待合室は柔らかな落ち着いた雰囲気で、診察室も明るく開放的。子どもたちが治療を頑張れる工夫が詰まっています。
院長の成田くみ子さんは、県外の歯科大学を卒業後、小児歯科や矯正の分野で経験を重ねてきました。約10年前から「いつか地元に戻り、経験を還元して福島の子どもたちのお口の環境を良くしてあげたい」という強い思いを抱き、この春に念願の開院を迎えました。
そんな成田院長が掲げるミッションは、「10歳までに完璧に歯を磨ける子を育てる」ことです。

■納得してから治療へ
診察室にやってきたのは、前回の診察で虫歯が見つかった4歳のひかりちゃん。この日、最初に行われたのは絵本の読み聞かせでした。
絵本を使って優しく説明したり、器具に触れてみたり。こちらの歯科医院では、まず子ども自身が納得してから治療に進むことを大切にしています。
丁寧なコミュニケーションのおかげで、ひかりちゃんも最後には先生と笑顔で「がんばるお約束」の握力を交わし、少し勇気が出た様子でした。
院内では歯科衛生士だけでなく、保育士や助産師などの専門スタッフが連携し、親子に寄り添ったサポートを行っています。

■歯科医に聞く疑問
日々、子どもの歯と向き合うパパ・ママの気になる疑問を成田院長に聞きました。
◆受診のタイミングは?
「お口の中で気になることがあれば、いつからでも大丈夫です」と成田院長。最近は虫歯だけでなく、昔に比べて「お口の機能の低下」が問題になっているといいます。「口がポカンと開いている」「うまく噛めない」「発音が気になる」といった症状は「口腔機能発達不全症」と呼ばれ、悩む子どもが増えています。
こちらの小児歯科では、助産師が授乳や抱っこ、離乳食の進め方の指導も行っており、健康な口を手に入れるためのトータルケアをしています。

◆歯磨き開始の時期は?
歯が生えたらすぐに始めることが大切です。早めに歯ブラシに慣れておくことで、大きくなったときの歯磨きへの抵抗が少なくなります。

◆仕上げ磨きはいつまで?
街のママたちからも「本人の気分次第になってしまう」「何歳まで必要なのか気になる」という声が聞かれる仕上げ磨き。
小児歯科の分野では「10歳まで」必要と言われています。実は、自分でしっかり完璧に磨けている子どもはほとんどいません。10歳は手先の器用さや習慣化する力が大きく育つ時期。成田院長は、この時期までに完璧に歯磨きができる子どもを増やしたいと意気込みます。

■郡山市の「予防」の取り組み
虫歯になる前から検査などで定期的に通う「予防」も大切です。この点で、郡山市では先進的な取り組みが行われています。
それが、3歳までに20本の虫歯のない歯を育てる「320(さんにーまる)教室」です。1歳半健診の後から参加でき、フッ化物の塗布や歯磨きチェックなどを行っています。
この取り組みが始まる前(平成18年度)は3歳児の虫歯の割合が32.28%でしたが、昨年度は25ポイント近くも減少しました。これはフッ化物塗布率の増加と関連が高いと考えられており、予防の大切さを実証しています。

子どもの気持ちに寄り添ってくれる環境がある今、歯科医院をもっと身近な存在として上手に活用していきたいですね。

福島テレビ
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