福岡の靴磨き職人が、快挙だ。イギリス・ロンドンで開かれた靴磨きの国際大会で、福岡市在住の職人が世界チャンピオンに輝いた。

前年は準優勝 見事にリベンジ果たす

福岡市中央区にある革靴専門店『ボストン・アンド・リオールズ』で働く靴磨き職人の吉冨純弘さんが、世界的快挙を成し遂げたその人。

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イギリス・ロンドンで2026年5月に開かれた靴磨き世界大会の決勝戦。新品の靴を20分以内に、どれほど美しく磨けるかを競う。

「ザ・ゴールドメダリスト、イズ…、アツヒデ・ヨシドミ、フロム・ジャパン~」。世界中の強豪が集うなか、見事に世界一の称号を手に入れた。

靴磨き世界一になった吉冨純弘さん。「チームのみんなに支えてもらって、お客様も温かく応援して下さるので、そういう人たちに、やっと少し恩返しできたかなという思いで、まずはホッとしたというのが一番、最初でしたね」と喜びを口にする。

靴磨き職人として8年のキャリアを持つ吉冨さん。大会には、2025年も出場していたが、結果は惜しくも準優勝。2026年は仕上げの技術に磨きをかけ、見事にリベンジを果たした。

世界一を勝ち取った優勝作品。磨く前のものと比べると、艶やかな光沢が際立ち、重厚感を引き立てている。

吉冨さんは「全部を同じ色に、ちょっと濃いめのトーンにするっていうやり方をしていたが、今年は部分的に自分が陰影を付けたらかっこいいよなっていうところをきちんと表現して、色も去年と違うんですけどそれがよかった」と話す。

ボロボロの革靴も見違える姿に

掴み取った悲願の世界一。「普段、仕事で使っている靴なんですけど、お願いします」(記者)。

早速、その腕前を披露してもらった。「いいですね。ばっちり仕事してあるっていう靴なんで、ぴかぴかにしたいと思います」(吉冨さん)。記者が靴磨きを依頼したのは、幾多の取材現場を駆け抜けてきた革靴。至る所が、擦れてしまっていて、靴の先端には大きなキズもある。

「こういうところにホコリが溜まるんで…」と靴紐を外してブラシでホコリを落とし、丁寧に汚れを拭き取る。静かな店内にシャコシャコシャコと靴を磨く音だけが伝わる。

「足、大きいですね」(吉冨さん)。

「29センチぐらいです」(記者)。

「ここからワックスでツヤを出す作業ですね」(吉冨さん)。

「職人の皆さん、手で塗るのが一般的なんですか?」(記者)。

「ワックスを布で取っちゃうと布が吸収しちゃうので、手の方が早かったり、あとはこの手の感覚で、今どれだけの状態にあるのかを感じながら磨いている」(吉冨さん)。

そして最後は布を手に巻いて仕上げの磨き作業。キュッキュッキュッキュッと音が店内の空気のなかにしみこむ。

作業開始から約20分、革靴が仕上がった。擦れて白みがかった部分は新品同様の艶やかさを取り戻し、先端部分も見事に生き返ったようだ。

2人の世界チャンピオン

世界一の吉冨さんが在籍する『ボストン・アンド・リオールズ』。実はこの店舗にはもう1人、世界チャンピオンがいる。

吉冨さんの同僚、西上悦弘さんも2年前の2024年、世界大会で優勝した経験があるのだ。

2024年の世界チャンピオン、西上悦弘さんは吉冨さんについて「もともと実力があると思っていたので今回、結果で優勝というかたちで本人にも靴磨き職人として箔がついたのでよかった」と話す。

吉冨さんも「2年前に西上が優勝して、いつもお会いしているお客さんたちが喜んでいた。『世界チャンピオンに磨いてもらっているんだ』っていうのを凄くお客さんが嬉しく思うって言って下さったので、そこに肩を並べることができて嬉しい」と話す。

2人は大学時代からの友人で、これまでともに切磋琢磨してきた靴磨き職人。“世界一のコンビ”として店の知名度向上に繋げたいという。

どっちの実力が上?「今は、吉冨さんの方がうまいと思います」(西上さん)。2人の笑い声が店内に木霊した。

(テレビ西日本)