気になる疑問やニュースの「ナゼ」を解き明かす「どうなの?」です。

詐欺の手口が巧妙化しています。
フィッシング対策協議会によりますと、電子決済サービスの「PayPay」を悪用した詐欺メールが急増していて、わずか3カ月で8万件を超える報告があったといいます。

さらに、その手口の特徴がこれまでにないほど巧妙化されているということです。

11日のどうなの?は、“わずか3ステップで…本物を悪用した手口”について見ていきます。

この新たな手口の詐欺について相談件数が急増。
フィッシング対策協議会に報告があった相談件数を見ると、2026年の3月ごろから報告がき始めたということで、3月は592件でしたが、4月には2万8499件、5月には5万6555件となっています。

そして6月は、9日までの間に1283件の報告があったということで、3月から6月まで、あわせて8万6000件を超える報告があったということです。

では、どういうメールが来たのか、実際に報告があった内容を見ていきます。

まず「日本年金機構」をかたり、タイトルには「至急開封」「最終通告」などといって、急を要するような形を装って連絡がくるといいます。

本文を見ていくと、「差し押さえ予告通知書」と書かれていて、一見すると、あたかも実際に納付しないと資産を差し押さえられてしまうのではというような文言で納付を促すということです。

メールを受けて実際に指示に従って操作をしていくと、本物の「PayPay」が起動して、何とわずか3ステップでお金を奪われてしまうということです。

山崎夕貴キャスター:
本物のアプリが起動しちゃうと自分で気づくのは難しいですから、その前に気づかないとですよね。

遠藤玲子キャスター:
私もこういうようなのが来たことがあるんです。リンクが貼ってあったことがあったんですけど、3ステップってどういうことですか?

安宅晃樹キャスター:
我々もだまされないために実際に送られてきたメールや操作画面を使って順に解説していきたいと思います。

実際に送られてきたメールの本文を見ていくと、一番上に「差押予告通知書」と書いてあります。

ここから下の方に画面を見ていくと、合計納付額は今回2万6300円と記載されています。
この金額もメールによって違って、1万円台からさまざまで、一の位、十の位まで細かいところまで設定しているメールもあるそうです。

この下に「PayPay決済手続き」というようなボタンがあります。
これが1ステップ目で、このボタンをタップすると、「このページを“PayPay”で開きますか?」といった画面が出てきます。
ここが2ステップ目で、「開く」を押してしまうと出てくるのは本物の「PayPay」です。

画面上部に「日本年金 さんに送る」という文言と、先ほどの「26,300円」という額が表示されています。
表示されているアイコンを拡大し、本物の日本年金機構のロゴと比較すると、実に精巧に作られて偽装されています。

山崎夕貴キャスター:
調べてもわからない。

安宅晃樹キャスター:
本当に分からないんです。パッと見ても、言われても分からないと思います。

さらに下を見ると、青色のボタンで「26,300円を送る」というボタンがあり、3ステップ目、これを押してしまうと、だまされて2万6300円が奪われてしまうということです。

遠藤玲子キャスター:
本当に3ステップでしたし、見覚えのある画面で、何か簡単にできちゃう。しかもこれ、押しちゃったらどうするんですか?送金されちゃいます?

安宅晃樹キャスター:
キャンセルはできないんです。今回、巻き込まれる形になった日本年金機構は、ホームページで「こういった支払いをメールで促すことはない」として、「もし詐欺メールがきたらアプリを起動させるボタンは押さないで!」と注意を呼びかけています。

今紹介したのは日本年金機構でしたが、他のものも相次いでいるということです。

例えば、自治体などを装って住民税や国民健康保険料の送金を促すケースや、保険会社、さらには携帯電話、金融機関など、本当に多種多様です。

三宅正治キャスター:
だまされて送金してしまったらキャンセルできないということでしたけれども、これ、お金はもう返ってこない?

安宅晃樹キャスター:
はい。やっぱり悔しいと思いますが、PayPayによりますと、この場合、「ユーザーが自身で操作して送金してしまった場合」ということですので、これは補償の対象外。
ですので、不正に気付いたら通報するように呼びかけているわけなんです。

三宅正治キャスター:
最近、キャッシュレスで税金を納めたりすることができたりするじゃないですか。そうなると、どれが本物の通知なのか、見極めるのは難しくないですか?

安宅晃樹キャスター:
我々どうしたらいいのかというところ、刑事事件に詳しいアトム法律事務所の松井浩一郎弁護士によりますと、こうした詐欺というのは、いずれも強い口調で冷静さを失わせる。結局、そこから送金というところにつなげる狙いがあるということです。ただ、松井弁護士によりますと、メールやSMSで送金を促すということは通常の事業者はしないということで、まずは疑ってかかる。そして、正規の事業者からは書面などで連絡が来ることが多いということです。

11日の「どうなの?」は、“わずか3ステップで…本物を悪用した手口”について見てきましたが、実際に報告があった例を見てみると、本物のPayPayのアプリが起動して送金を促す手口が、ここ数カ月で急増しています。皆さん、お気を付けください。

そして、専門家は送金を促すメールやSMSが来たら、まずは疑うようにと指摘しています。