新感覚の焼き肉として今、話題を呼んでいるのは“ちゃん系焼き肉”。
一体、どんな店なのでしょうか。
取材班は、東京・目黒区にある「焼肉家てっちゃん」に向かいました。
店内に入るとまず目についたのが、テーブル席はなくカウンター席だけ。
カウンター越しに立っていたのは、3代目店主のひろちゃん。
すると客の目の前で分厚いタンを切り分け、さらに表面をカリッと中をジューシーに焼き上げていました。
この見せる接客が“ちゃん系焼き肉”の大きな魅力なのです。
来店した人は「今まで店員さんに焼いてもらったことないので新鮮な感じ」「目の前で切ってくれて、一番新鮮な状態で提供してもらえるので味がよりおいしく感じる」と話します。
目の前で肉が焼かれるライブ感に客も大興奮。
10年ほど前に大阪で生まれたというカウンタースタイルの焼き肉。
こうした店が店主の名前に「ちゃん」を付けた店名だったことから、いつしか“ちゃん系焼き肉”と呼ばれ、徐々に東京にも広がっていきました。
「焼肉家てっちゃん」は、のれん分けして東京や神奈川、沖縄で店を展開。
週末には多くの客でにぎわう人気ぶりだといいます。
焼肉家てっちゃん 3代目店主・ひろちゃん:
焼肉を焼いてベストな状態でお届けする。身近にお客さまと触れあえるのが楽しいと思ってやっている。
焼き肉を目の前で体感する“ちゃん系焼き肉”。
店主のひろちゃんが作っていたのは、名物の「飲めるサーロイン 1900円(税込み)」です。
薄くスライスした黒毛和牛を特製ダレに絡め、サッとあぶり口溶けを楽しむ1品です。
メニュー表を見ると、こんな変わった料理もありました。
大人気だという「パリピ」、これは一体?
来店した人は「パリピと聞いたときパーティーピーポーかと思ったが、パリパリピーマンなんですよ。やばくないですか、名前を聞いたらいくしかないと思って」と、「パリピ」を実食。
言葉も出ないほど満足なようです。
こうした変わった名前のメニューが多いのは、客と店員の会話を弾ませるための仕掛けだといいます。
いつしか店はアットホームな雰囲気に包まれていました。
新たな肉のトレンドとして注目される“ちゃん系焼き肉”。
一方で、2025年の焼き肉店の倒産は過去最多となる59件に及んでいます。
倒産急増の背景には、円安による輸入牛肉の価格の高騰などが追い打ちをかけているといいます。
焼き肉業界に逆風が吹き荒れるなか、なぜ“ちゃん系焼き肉”は人気を集めているのでしょうか。
フードジャーナリストの三輪大輔さんは、「ちゃん系焼肉は体験、店主がライブ感を持ってお肉を提供する。ここのストーリーも込みの価値になっているので、そういったところで差別化も進んで、じわじわと広がっている背景がある」と話しました。