新潟県小千谷市にある工事現場の重機を60km離れた場所から遠隔で操作する様子が公開された。建設業界の人手不足解消へ期待が寄せられている。その現場を取材した。
「エアコン効いていて快適」60km離れた工事現場の重機を“遠隔操作”
新潟県長岡市の建設会社と東京の建機メーカーが2024年から共同で行っている長距離遠隔操作の検証。
この日は小千谷市の遊水地で法面をつくる工事が公開された。
遠隔コックピットから重機を操るのは、小千谷市から約60km離れた燕市の事務所だ。
重機を操る田原健吾さんは「全然足元などが汚れないのでそれがとてもいい。夏もやはり外に行くと暑いが、この事務所ならエアコンも効いているので快適に仕事ができる」と話す。
ガイダンス機能で正確な作業可能に「慣れれば誰でも」
一方、小千谷市の現場は厳しい暑さに…。
工事は衛星インターネット回線などで2つの現場をつなぎ行われる。
コックピットには現場の様子が映し出され、田原さんがレバーを上下させるのに合わせ、小千谷市の重機が法面を成形していく。
田原さんは「モニターを見ての運転、距離感が実際に乗るのとは違うので、慣れが必要だが、慣れれば誰でも乗れるようになると思う」と話した。

田原さんはオペレート歴30年のベテランだが、コックピットには完成図をもとにしたガイダンス機能が搭載されていて、経験の浅い若手でもガイドに従うことで正確に作業できるという。
建設会社の吉原靖広常務も「現在の動きであれば十分満足のいくもの。今現在は河川工事の広い誰もいないところを想定していて、そのうち道路関係、一般車両が通るところでも使用できるだろうと思っている」と手応えを口にする。
建設業界の人手不足解消へ期待
生産年齢人口が減少する一方で、インフラの老朽化への対応などは増えていて、国交省も建設現場の自動化・省人化を目指している。
北陸地方整備局・信濃川河川事務所の小野正博工務課長は「こうした取り組みがもっと普及すれば、より一層、生産性の向上や省人化対策につながるのではないか」と期待を寄せる。
通信が途切れないようにすることが課題だが、建設現場の未来に新たな風を吹き込む長距離遠隔操作。
共同検証は今後も継続されるということだ。

