メンバーのほとんどが80代というアマチュア劇団『越中みゆき座』が、『嫁姑問題』をテーマにした新作を披露しました。寸劇に込めた思いとは?
富山市水橋地区の女性たちが14年前に結成した『越中みゆき座』。60代から80代のメンバーが福祉施設などでボランティア活動を続けています。
この日、およそ1年ぶりの新作公演を前にメンバーが集まっていました。
披露するのは、座長の村上順子さん(84)のオリジナル脚本です。
今回のテーマは―。
*越中みゆき座 村上順子さん(84)
「出会いとご縁に感謝。これがテーマ長い人生の最後の人生論ですな」
新作『嫁おどしの面』は、福井の民話を元に嫁姑問題をテーマにした作品です。
これまでコミカルな作品が多かったみゆき座ですが、村上さんは自身の人生を振り返り脚本を書きあげました。
*越中みゆき座 村上順子さん(84)
「明治生まれの厳しいお姑さんでどうしてこんな嫌がることばっかり言われんがやろかと」
20歳で嫁いできた長男の嫁に厳しかった姑のミユキさん。しかし、ガンが見つかり入院する朝、正座をしてこんな言葉をかけてくれたといいます。
*越中みゆき座 村上順子さん(84)
「今まで色々と厳しいことも言ってきたけど本当言うとあんたに感謝してるのよって。よう我慢してくれたって感謝でいっぱいだって。それまではがやっしゃはがやっしゃと思っとったのね。その言葉を聞いたときにあぁ私こそ至らん嫁だったと」
一人前の女性に育てようと厳しく指導してくれた姑。より共感を得るためかつてのやりとりを思い出し、セリフに盛り込むことにしました。
みゆき座の公演は地域の人たちの楽しみの一つ、この日も立ち見が出るほどの盛況ぶりです。
村上さんは家のしきたりを教えようと長男の嫁を厳しく指導する姑を演じます。
*嫁
「おっかさんの頭がパータパパ」
*姑
「きれいになったかの。こりゃなんじゃ。お清ハタキかけたゆうがにこのホコリは何しとるがじゃ。ハタキはのもっとリズムよくチャチャチャチャチャチャこうするんじゃよ。なもなも」
子守中の不注意で孫を危険に晒した罪を悔いながらも意地を張る姑。いつしか顔から鬼の面が取れなくなります。
それでも家族は母を思い祈りを続けます。
*姑
「あ…面が取れた鬼がこの胸におったんじゃ」
*越中みゆき座 村上順子さん(84)
「私の姑さん明治生まれで厳しかった。ハタキ叩いたりダイコン切ったり、みんな私の実話。わしら昔大変やった。今は変わって嫁に気はっとる。娑婆になったけど昔はみんな我慢して我慢して。でも我慢してきたからこそ今日の幸せがあると思う」
*観客は
「私の心の鬼の面もとれたかもしれん、うれしい。おとうちゃんにやさしくすっちゃ」
*観客は
「私も姑をみてきとるからなんかジーンときちゃって」
*観客は
「嫁でもおればかわいがってやるのにね~」
*越中みゆき座 村上順子さん(84)
「出会いとご縁に感謝。そうすることによって心おだやかになって楽しい日々が送れるんじゃないかハッピー」
多くの人をつなぐ越中みゆき座。次なる出会いとご縁を求めて村上さんの挑戦にまだまだ終わりはないようです。
今は昔ほどの嫁姑問題はないかもしれませんが、いつの時代もどんな場面でも相手を思いやる気持ちが大切だなと感じました。
今回の新作を『最後の人生論』と語っていた村上さんですが、公演後『次の新作への意欲が沸いてきた』と話していました。